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『食中毒』について(8) 化学性食中毒

 

 

 また、化学性食中毒を起こす有毒な化学物質としては、ヒ素や水銀、カドミウム、PCBなどがあります。

 

①、ヒ素(As)

 *西日本一帯で、ミルクを飲用した乳児に、発熱、嘔吐、下痢、皮膚の色素沈着などの症状を伴った多数の中毒者と死者
・・・ヒ素ミルク事件

 

 *和歌山県で、カレーを食べた人たちに腹痛や吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、顔面などの紅斑、顔面の浮腫などの症状を訴えた中毒者と死者
・・・毒物カレー事件

 

②、有機水銀(CH3-Hg-Cl)

 *熊本県水俣湾一帯で、歩行困難や言語障害、手のふるえなどに始まって、末期になると精神が錯乱し、ものも言えず、食事もとれなくなり、ついには死に至る病気が発生
・・・
水俣病

 

③、カドミウム(Cd)

  *富山県を流れる神通川の上流で、腎臓に障害が起こり、骨からカルシウムが失われ、骨が折れたり変形したりするため、全身が痛み、苦しんだ末に衰弱して死に至る病気発生
・・
・イタイイタイ病

 

④、PCB(porychlorinated biphenyl)

 *九州北部を中心に、顔や首、背中、腹など体の柔らかい部分に吹き出物が出たり、色素が沈着したり、さらに、全身がけだるくなって、めまいや吐き気、肩、腰、手足が痛み、腹痛も生じる病気が発生
・・
・ライスオイル事件

 

⑤、その他

 *ホウ酸などの有毒防腐剤

 *オーラミンなどの有害着色料

 *ロンガリットなどの有害漂白料

 *エチレングリコールなどの有害甘味料

 *パラチオンなどの農薬

 *鉛(Pb)

 *クロム(Cr) 

 *銅(Cu)

 *亜鉛(Zn)

 *スズ(Sn)

 *メチルアルコール(CH3OH) など

 

 

  以上、長々とお話申し上げましたが、今後とも私達非病原性の大腸菌とは以前と変わらず、いやいや、以前以上の共存共栄のおつきあいの程よろしくお願い申し上げます。
最後に人間さまのご健康とご繁栄をお祈り申し上げて、ペンを置かせていただきます。
時節柄、どうかお体ご自愛下さい。

敬具

 

 

 

本編は柏市薬剤師会誌「かぷせる」に投稿したものを要約加筆改訂して掲載。

 

 

 

【参考資料】

1.中沢昭三,「抗生物質の基礎知識」南山堂,1978
2.今西次郎,「現代の感染症」講談社,1988
3.大木幸介,「毒物雑学事典」講談社,2005
4.松野重夫,「ウイルス性胃腸炎」Mevio,Vol.15,No.7,77~79,1998
5.調理師教科全書,「食品衛生学」社団法人全国調理師養成施設協会,1994
6.厚生省保健医療局長通達,「一次、二次医療機関のための腸管出血性
大腸菌(0157等)感染症治療の手引き(改訂版)」健医発第1136号,平成9年8月21日
7.Julian Davies & Barbara Shaffer Littlewood
“Elementary Biochemistry”.1979 by Prentice-Hall
8.龍原 徹、「ポケット医薬品集」白文社、2009
9.「日本薬剤師会雑誌」 (社)日本薬剤師会
10.伊東 晃ら、「薬学領域の生化学 第2版」広川書店、平成25年
11.大野尚仁笹津備規、「新しい微生物学」広川書店、平成23年
12.NHKキャラクター集より一部引用
13.坂井建雄,橋本尚詞,「ぜんぶわかる人体解剖図」成美堂出版,2011
14.
船山信次、「毒の科学」ナツメ社、2003
15.食中毒(※ウィキペディア「食中毒」ページへリンク)
16.農林水産省(※農林水産省「食中毒をおこす細菌・ウイルス図鑑」ページへリンク)
17.増田邦義、植木幸英、「食品衛生学」、講談社サイエンティフィク、2004
18.伊藤機一「病理・微生物・臨床検査」、医学芸術社、2005
19.伊藤洋一ら、「医療従事者のための医動物学」、株式会社 講談社、2011
20.西條政幸、「クイックマスター 微生物学」株式会社サイオ出版、2015

 

 

かぷせる表紙

 

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