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ビタミンのチョコット知識④ ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン


ビタミンのチョコット知識④
ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン

水溶性ビタミン

Ⅰ-1 ビタミンB1(Thiamine)

 ① 体の中でエネルギーに変わるのは糖質、脂質、たんぱく質です。 なかでも解糖系TCAサイクル糖質を燃焼してエネルギーをつくり出すときに多くの酵素がかかわりますが、ビタミンB1は TPP(Thiamine pyrophosphate)を構成し、脱水素酵素(Dehydrogenase)の補酵素(酵素活性発現に必須物質)として働きます(下図の2つの反応参照)

例) ピルビン酸脱水素酵素(Pyruvate dehydrogenase)の補酵素

ピルビン酸

[解糖系・TCAサイクル]

例) オキソグルタル酸脱水素酵素(Oxoglutalic acid dehydrogenase)の補酵素

オキソグルタル酸

[TCAサイクル]

  ② ビタミンB1神経機能を正常に保ちます。

     ビタミンB1は神経シナプスにおいて、アセチルコリンの遊離を促進するため、中枢および末梢神経の刺激伝達や神経組織形成にも関与しています。

 

 

  ビタミンB1は細胞内の解糖系やTCAサイクルで糖を分解してエネルギーを発生させる細胞内代謝の酵素の補酵素となります。ビタミンB1が不足すると糖質の代謝がスムーズに行なわれなくなり、十分なエネルギーをつくり出すことができません。そのため、体のだるさ脱力感目の疲れ手足のしびれむくみ動悸などの症状が現われます。また、糖質は脳細胞や神経細胞のエネルギー源でもあるので、不足すると集中力落着きを欠くばかりでなく、イライラ肩こり腰痛筋肉痛などの症状が起こります。

 激しい運動で大量にエネルギーを消費するときは、ビタミンB1がさらに必要になります。

●欠乏症:多発性神経炎、脚気 など

膠原病タイトル

 

◎多く含まれている食品:うなぎ、ハム、豆類、胚芽米、レバー など         

 

うなぎの蒲焼 ハム

えんどう豆

~~~~~~~~~~

ミトコンドリア

[エネルギー発生メカニズム]

 

Ⅰ-2 ビタミンB2(Riboflavin)

  ビタミンB2は FAD(Flavin adenine dinucleotide)を構成し、種々の酵素の補酵素として働きます。

 とくに、糖代謝、脂質からのエネルギーの生成にFADの形で酸化還元反応に関与しています。なかでも脂質(脂肪酸)が燃焼するときに多く消費され、脂質の代謝には不可欠のビタミンです。

 

 

 

 

 

 

 

 

例) コハク酸脱水素酵素(Succinate dehydrogenase)の補酵素

              コハク酸

[TCAサイクル]

 ビタミンB2は細胞の呼吸細胞の再生にかかわっています。皮膚や粘膜の健康を維持するうえでも重要なビタミンで、不足すると肌荒れ目の充血にきびなどのもとになります。なかでも、粘膜はほかの細胞にくらべて新陳代謝が活発なため、ビタミンB2不足に陥ると口角炎口内炎などを起こします。

また、たんぱく合成に関与して皮膚や頭髪、爪などの新生、ひいては体の成長をサポートしています。

 さらに、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX:Glutathion peroxidase→有害な過酸化水素や過酸化脂質を除去する抗酸化酵素とともに働いて過酸化脂質を取り除きます
 ビタミンEが過酸化脂質の生成を抑えるのに対し、ビタミンB2は生成した過酸化脂質の除去を促進します。これにより、体内の過酸化脂質の蓄積を防ぎます。

 ビタミンB2は動脈硬化のおもな要因である過酸化脂質除去に加えて、血中脂質の中性脂肪とLDLコレステロールを減らす働きがあるので動脈硬化の予防にもなり、さらには、脂肪の代謝が活発になるので肥満の予防にもつながるといわれています。

     ●欠乏症:成長停滞、口角炎、口内炎、肌荒れ など

     ◎多く含まれている食品:イワシ、レバー、納豆、乳、卵、酵母、胚芽、肉類など

イワシレバー納豆

 

Ⅰ-3 ナイアシン(Niacin)ナイアシンアミド(Niacinamide)

 ナイアシンはNAD(Niacinamid adenine dinucleotide)を構成し、種々の酸化還元酵素の補酵素として働きます。

 NADは糖質や脂質、たんぱく質からエネルギーをつくるときに必要不可欠なビタミンです。また、ビタミンEやビタミンCなどの抗酸化ビタミンが作用するときにも関与します。

 ナイアシンはビタミンB1やビタミンB2などとともに糖質や脂質、たんぱく質の代謝を促進します。また、ナイアシンは神経や脳機能の正常化、性ホルモンの合成などにも携わっています。

 さらに、ナイアシンは皮膚や粘膜の代謝にも関与しているので肌荒れ口内炎の緩和にも役立ちます。
そのほかにも、ナイアシンは血管を拡張して血圧を下げたりアルコールを分解したりするときなどにもかかわるなど、さまざまな働きをします。

例) リンゴ酸脱水素酵素(Malate dehydrogenase)の補酵素

    リンゴ酸

[TCAサイクル]

 

●欠乏症:ペラグラ様皮膚炎(日光にあたると皮膚に黒褐色の
色素沈着が起こる皮膚炎)など

ペラグラはナイアシン生合成の出発物質トリプトファン(必須アミノ酸)含有量の低いトウモロコシを主食とする中南米に多い欠乏症です。

◎多く含まれている食品:マグロ、タラコ、レバー、豆類 など

 

マグロ                たらこ レバー

 

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