ビタミンのチョコット知識⑦
ビタミンC
Ⅱー1 ビタミンC(Ascorbic acid)
ビタミンCは生体内化学反応の酸化還元にかかわり水素運搬体として多様な働きをします。
ービタミンCの作用ー
①体を構成する重要なたんぱく質であるコラーゲンの生成に関与しています。
コラーゲンは細胞と細胞をつなぐ接着剤のような働きをして、じょうぶな血管や筋肉、骨、皮膚などの結合組織をつくります。ビタミンCが不足するとコラーゲンが正常に合成されないため、毛細血管の結合組織が弱くなり歯ぐきからの出血が止まらなくなったり、骨がもろくなり骨粗しょう症の一因となったり、肌の張りが失われたりします。
② 抗酸化作用により老化や動脈硬化を予防します。
活性酸素は、細菌などから身を守る免疫機能をつかさどるため、生体にとって必要なものですが、過剰に発生すると細胞を酸化して傷をつけてしまいます。これが老化やがんの原因といわれています。また、活性酸素は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を酸化LDLコレステロールに酸化してそれを血管内に付着させます。これが、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす原因となります。
ビタミンCは、相乗効果のあるビタミンEとともに働いて、還元作用により、細胞を守ったり、活性酸素による害を減らしたりするのに役立ちます。
また、ビタミンCは活性を失ったビタミンEを活性化させ、抗酸化作用を取り戻させる働きもあります。
酸化:酸化される
還元:還元される
[抗酸化ビタミン]
③ 副腎皮質ホルモン、副腎髄質ホルモンの生成をサポート
副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンがつくられるとき、ビタミンCが大量に消費されます。
ストレスを感じると副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)が分泌されます。このホルモンは血糖値を上げ、使えるエネルギーを増やすことによりストレスに対する抵抗力を強めます。ビタミンCは副腎皮質ホルモンの合成促進や、同じくストレスに働く副腎髄質ホルモンのひとつ、ノルアドレナリンの合成にもかかわっています。
④ 鉄の吸収をサポート(貧血を予防)
鉄(Fe)は人体にとって必須の元素です。鉄分が不足すると血液中の赤血球(ヘモグロビン)の量が少なくなり、貧血などを引き起こします。消化管から吸収される鉄は肉類などの主に動物性食品に含まれる2価の鉄イオン(ヘム鉄)のみなので、野菜や穀類などの主に植物性食品に含まれる3価の鉄イオン(非ヘム鉄)は2価に還元されてから吸収されます。ビタミンCは消化管の中で鉄イオンを3価から2価に還元することにより、鉄の吸収を促進します。
3価の鉄イオン 2価の鉄イオン
⑤ チロシン、フェニールアラニンの代謝
紫外線の刺激を受けるとアミノ酸のチロシンが酵素チロシナーゼにより黒い色素のメラニンになります。
ビタミンCはチロシナーゼ(Tyrosinase)の作用を阻害して、メラニン球(シミ)の沈着を防ぎます。
また、ビタミンCは一度できてしまった黒色メラニンを淡色のメラニンへと還元して、目立たなくする作用もあります。
紫外線
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➅ 免疫機能をたかめる
ビタミンCは、免疫機能を担う白血球の中の好中球の活性維持や増強にかかわっています。
とくに、かぜの流行っている時期にビタミンCを多く摂取するとかぜをひきにくくし、たとえ、かぜをひいたとしても早く回復します。・・・かぜの予防と治療
⑦ 抗がん作用
胃がんの病因の一つとされているニトロソアミンは、食事などによる体外からの摂取のほか、体内でも合成されます。胃液酸性条件のもとでアミノ酸化合物とくに第2級アミン(魚や肉など)と亜硝酸ナトリウム(野菜や食肉発色剤など)が反応するとニトロソアミン(発がん物質)ができます。
秋刀魚は食いたし、?は怖し!
焼きたての秋刀魚 + 大根おろし +レモン= 大好物!
(第2級アミン) (亜硝酸ナトリウム) → ?
朗報の一つ
新鮮な大根おろしやレモンのなかに含まれているビタミンCが、第2級アミンよりも早く亜硝酸ナトリウムと反応することによりニトロソアミンの生成を抑止します。
また、ビタミンCはインターフェロンの生成を促進する働きがあります。その生成されたインターフェロンのつくる抗ウイルスたんぱくがウイルスの活動を制御します。
さらに、ビタミンCはがん細胞に働きかけ、その分裂を抑制してがん細胞の増殖を抑えます。
● 欠乏症:壊血病など
◎ 多く含まれる食品:みかん、ほうれん草、レモン、イチゴ、大根、緑茶など
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