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主な病原微生物 73.インフルエンザ菌 74.軟性下疳菌 75. 赤痢菌 76.ペスト菌

主な病原微生物
73.インフルエンザ菌 74.軟性下疳菌
75. 赤痢菌 76.ペスト菌

 

主な病原微生物

主な病原微生物

 

♯主な細菌

 

 

 

 


G(ー)桿菌

 

モフィルス属(Haemophilus

73.インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)

74.軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)

ヘモフィルス属の細菌は非運動性で多形性を示し、多くはヒト、哺乳類の上気道の常在菌

シゲラ属(Shigella

75.A群赤痢菌(Shigella dysenteriae)
B群赤痢菌(Shigella flexneri)
C群赤痢菌(Shigella boydii  )
D群赤痢菌(Shigella sonnei)

 

 

エルシニア属(Yersinia

76.ペスト菌(Yersinia pestis)

 

 

73.インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)      

[特徴]

 インフルエンザ菌は、グラム陰性通性嫌気性桿菌で、ヒトの鼻咽喉に常在しています。

 フィラメント状や球菌状など多形性の形態を示し、芽胞や鞭毛はもたないが、菌を被う莢膜の有無により有莢膜型と無莢膜型に分けられます。

 インフエンザ菌は1890年のインフルエンザ大流行のときに多くの感染者から分離されたので、当時はその病因菌と考えられてこの名がつけられたといわれています。

 インフルエンザはインフルエンザ菌が病因菌ではなくインフルエンザウィルス(Influenza virus)が病原体です。

 

 

 インフルエンザ菌はとくにb型菌のことをHib(Haemophilus influenzae type b)といい、インフルエンザ菌のなかで最も病原性の強いグループです。

 無莢膜型の菌が直接局所に侵入すると、小児には中耳炎や副鼻腔炎、成人には市中肺炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)増悪などの非侵襲性の病態を引き起こします。

Hib感染症

[特徴]

   Hibは保菌者の咳、くしゃみとともに鼻やのどから侵入します。そして、

 鼻、のどにとどまりそこで増殖します。しかし、

 ヒトの全身に影響を及ぼすことはほとんどありません。 ところが、

 ときとしてヒトの防衛ラインを突破して血液中に入ると菌血症を起こし、さらに血液を介して全身に広がると、髄膜炎や気管支炎、肺炎、喉頭炎など多彩で深刻な病気を招くことがあります。

[予防]

  Hibワクチンが定期接種化され、乳幼児におけるインフルエンザが原因の髄膜炎は激減しています。また、

 急性喉頭蓋炎や肺炎などの予防にも効果がみられています。

[治療]

  Hib感染症に対する治療として、髄膜炎や急性喉頭蓋炎では、抗菌薬の早期投与が重要で、セフェム系やペニシリン系抗菌薬が使用されます。

 

74.軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)

[特徴]

 軟性下疳の原因菌軟性下疳菌は、グラム陰性通性嫌気性抵抗性の弱い多形性形態桿菌で、乾燥や熱によって容易に死滅します。

 

軟性下疳菌

 

軟性下疳 

  軟性下疳菌の感染によって発症する性感染症の一種です。  .

 性行為によって感染し、男女とも外陰部に感染機会後2~3日して小丘疹を生じ、腫脹、疼痛、膿疱化、ついで潰瘍(下疳)を形成します。

男性トイレ

 大部分はそ径リンパ節が痛みを伴いながら腫れて化膿してきます。

 膿疱内には軟性下疳菌が容易に発見できます。

[治療]

 治療には内服や筋肉注射、軟膏抗菌薬を使った薬物療法が行なわれます。

 筋肉注射の抗菌薬はペニシリン系など、内服抗菌薬にはニューキノロン系やマクロライド系など、軟膏としてはアミノグリコシド系などが用いられます。

 

75.赤痢菌(Shigella dysenteriae)

[特徴]

 赤痢菌は腸内細菌科に属する無芽胞通性嫌気性グラム陰性桿菌、大きさは0.5×1-3µmの棒状で鞭毛はありません。

 赤痢菌は細菌性赤痢(小児の細菌性赤痢の重症型は疫痢)の原因菌で、4種類の赤痢菌があります。

A群赤痢菌(Shigella dysenteriae)
B群赤痢菌(Shigella flexneri)
C群赤痢菌(Shigella boydii  )
D群赤痢菌(Shigella sonnei)

  赤痢菌は胃酸に抵抗性があり、微量(10~100個)の菌で感染します。

 感染源は患者の便で、それに汚染された水や食物、または手指が媒介します。

◎細菌性赤痢

 赤痢菌に感染すると赤痢菌は腸管上皮細胞に侵入して細胞の中で増殖します。約48時間の潜伏期間後に発熱と一日数十回にもおよぶ粘血性下痢(血性、膿性)を起こします。多くはしぶり腹(裏急後重)と呼ばれる腹痛の症状が現われます。

腹痛男性

[治療]

 発症初期にニューキノロン系やマクロライド系、ST合剤などの抗菌薬を使用します。また、下痢によって失われた水分と塩分を補給するために経口補水液やスポーツ飲料の摂取を行ないます。 

 

76.ペスト菌(Yersinia pestis)

[特徴]

 ペスト菌はグラム陰性の通性嫌気性桿菌で、腸内細菌科に属し、大きさは0.5~0.8×1.0~3.05µmです。

◎ペスト

 ペスト菌をもったネズミから吸血したノミは、ペスト菌を腸管に保有し、このノミを介してヒトに感染したペストは、肺ペスト、腺ペスト、敗血症ペストの3種類に大別されています。(経皮感染、飛沫感染、接触感染)

 その致死率は非常に高く(未治療の場合30~60%)、感染すると敗血症を引き起こして全身の皮膚に黒い出血斑が現われることから、「黒死病」とも呼ばれて恐れられています。

ペスト菌

 感染すると所属リンパ節が腫脹し、疼痛を伴った腺ペストが発症します。さらに、所属リンパ節でペスト菌の増殖を食い止められなかった場合、菌は血液に入り(敗血症)、とくに、肺で増殖した場合肺ペストを起こします。

[治療]

 ペスト菌に対する初期の治療には、アミノグリコシド系抗菌薬やニューキノロン系抗菌薬、マクロライド系抗菌薬、テトラサイクリン系抗菌薬などが用いられます。

 

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