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主な病原微生物 58.ジフテリア菌 59.結核菌 59’非結核性抗酸菌 60.ライ菌

 

主な病原微生物

主な病原微生物

 

♯主な細菌

 

G陽性桿菌図

[G(+):グラム陽性 G(ー):グラム陰性]
胞子(芽胞)

 

G(+)桿菌

コリネバクテリウム属(Corynebacterium)

58.ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae) 

 

マイコバクテリウム属(Mycobacterium)

59.結核菌(Mycobacterium tuberculosis)

59’非結核性抗酸菌nontuberculous mycobacteria

60.ライ菌(Mycobacterium leplae)

 

マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアの特徴

 

 

コリネバクテリウム属

58.ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)

[特徴]

 コリネバクテリウム属ジフテリア菌は、大きさが0.3~0.8*1~8μm、グラム陽性偏性好気性芽胞非形成桿菌です。

 ジフテリア菌の一部のジフテリア菌が、増殖の際にジフテリア毒素(diphtheria toxin)を産生してジフテリアを起こします。

 経気道的に感染したジフテリア菌は、気道粘膜で増殖し、ジフテリア毒素の産生により粘膜組織に壊死を招きます。

 この壊死部に炎症が生じ、フィブリンや白血球などが滲出すると灰白色の偽膜を形成。

 偽膜が咽頭から鼻腔に拡がったのが鼻咽頭ジフテリア、喉頭、気管に拡がったのが喉頭ジフテリアです。

 

ジフテリア(diphtheria)

 咳などによる飛沫を介して感染後、2~7日の潜伏期を経て、咽頭痛と発熱で発症して、頭痛、倦怠感、嚥下痛などを呈し、ときに嘔吐を伴います。そして

 扁桃付近には粘りのある灰色の偽膜が付着します。

 鼻咽頭ジフテリアになると鼻閉塞、鼻出血を、喉頭ジフテリアになると嗄声、犬吠様咳嗽、呼吸困難などをきたします。さらに、

 皮膚ジフテリアや眼結膜ジフテリア、生殖器ジフテリアなども招きます。

 小児では偽膜が気道を閉塞して窒息死することもあるそうです。

 

診察

 

 ジフテリア毒素が全身に作用すると、心筋炎や多発神経炎などの合併症を引き起こします。とくに、

 心筋炎は不整脈や心不全を伴い、突然死の原因となるため、早期治療による合併症予防が重要といわれています。

 

[予防]

 予防にはトキソイドワクチンが有効です。

 乳児期から乳児童期にはDPT混合ワクチン(ジフテリアトキソイド、百日咳ワクチン、破傷風トキソイド)が接種されています。

 

[治療]

 治療には、毒素に対する抗毒素血清療法と菌に対する化学療法を併用します。

 抗毒素血清療法はできるだけ早期に行ない、抗菌薬には、ペニシリン系、エリスロマイシン系、テトラサイクリン系などが用いられます。

 

マイコバクテリウム属

 マイコバクテリウム属の菌は、細胞壁に多量の脂肪酸を含むため、染色されにくく、また、いったん染色されると酸やアルコールで脱色されにくい性質をもつことから、抗酸菌(acid-fast bacteria)ともいわれます。

 抗酸菌はグラム陽性桿菌、偏性好気性芽胞非形成菌群の総称です。

 

抗酸菌の分類

結核菌群:Mycobacterium tuberculosis など培養可能な抗酸菌群

非結核性抗酸菌:結核菌群、ライ菌群以外の培養可能な抗酸菌群(NTM: nontuberculous mycobacteria )

ライ菌群:培養できない抗酸菌群。人に感染するのは主にMycobacterium leprae

 

59.結核菌(Mycobacterium tuberculosis)

[特徴]

 マイコバクテリウム属結核菌は0.2~0.3μmの細長いグラム陽性桿菌です。

 抗酸菌でもあり、芽胞や莢膜、べん毛はもっていません。

 環境に安定で、喀痰中の菌は直射日光で20~30時間、日陰で数週間~数月生存します。

 加熱による殺菌には60℃で20~30分、75℃で5分間かかります。また、

 消毒薬による殺菌には5%フェノール溶液、5%クレゾール液で24時間を要します。

 結核菌は結核を引き起こす原因菌です。

 結核菌に感染しても大半は症状を発症することは少なく、無症状、潜伏感染が一般的です。しかし、

 免疫能力が劣った場合は、せきや寝汗(盗汗)、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、長期間続く37℃前後の微熱などの症状で発症します。

 

結核(TB:tuberculosis)

 結核の80%は肺結核ですが、肺の病巣からリンパ節、胸膜、泌尿・生殖器、骨・関節、髄膜・中枢神経系、腹膜・消化管などへ血行性、リンパ行性に菌が移行し、肺外結核を発病することがあります。

肺結核

 肺結核では、せき、痰が持続し、血痰、胸痛、軽度発熱、体重減少などを伴います。

肺外結核

 肺外結核では、それぞれの部位に特有の症状を呈します。

また、

 易感染性宿主では、結核菌が急速に増殖して全身に播種することがあります。

 

[予防]

 結核予防にはBCG(Bacille Calmette et-Guerin)ワクチンがあります。

 

山

[治療と予防にはきれいな空気が一番]

 

[治療]

  治療には抗結核薬を使用します。

 イソニアジド(INH)、リファンピシン(RFP)、エタンブトール(EB)、ストレプトマイシン(SM)、ピラジナミド(PZA) など。

結核の治療は長期を要するため、副作用と耐性菌の出現を避ける目的で多剤併用療法が行なわれます。

 

59’非結核性抗酸菌(NTM:nontuberculous mycobacteria

 マイコバクテリウム属非結核性抗酸菌は結核菌群とライ菌群を除く抗酸菌の総称で、この菌にヒトが感染すると結核に似た病変を呈します。

   これらの菌は一般に抗結核薬に抵抗性が強く、化学療法剤での治療はきわめて困難です。

 肺のみならず、皮膚や表在性リンパ節などへの感染もあります

 非結核性抗酸菌としては、Mycobacterium aviumや Mycobacterium intracellurare、Mycobacterium kansasii などが存在しますが、とくに、Mycobacterium aviumと Mycobacterium intracellurareの2菌腫は区別しないMycobacterium avium complex(MAC菌)と呼ばれています。

 

肺MAC症 

 肺MAC症は結核菌と同じマイコバクテリウム属に属するMAC菌の感染によって起こる、最近、急増している肺感染症です。

 急増している原因として考えられているのが浴室での感染といわれています。

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温泉

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 MAC菌は24時間風呂のフィルターの中に非常にたくさん存在していることが多く、42℃前後の温度で増殖しやすく、気密性の高い浴室はMAC菌にとっては最適の環境です。そして、

 浴槽のお湯の注ぎ口シャワーヘッドのぬめりゆあかのほか、土壌水の中にもいます。そのような所で、

 しぶきや霧状の水滴、土ぼこりなどが発生し、その中のMAC菌を肺に吸い込むと感染すると考えられています。ただ、

 MAC菌は温水の中に多いので、感染プールや温泉とはある程度の関連はあるが、どの程度かなどはまだよくわかっていない、とのことです。

.

 MAC菌は結核菌とくらべて病原性が弱いため、感染してもしばらくは症状のない状態が続くそうです。その後、

   肺の炎症が進むと、せきやたん、血の混じったたんなどの症状が現われますが、結核とは異なり、人から人へ感染することはない、といわれています。

 肺MAC症が進むと一時的な発熱や全身のだるさ、食欲低下よる体重減少といった症状が起こるようになり、こうした症状が10年以上の長い時間をかけてゆっくりと肺MAC症は進行していくそうです。

 

60.ライ菌(Mycobacterium leplae)

[特徴]

 マイコバクテリウム属ライ菌は、末梢神経と皮膚がおかされるハンセン病(Hansen’s disease)の原因になる細菌です。

 グラム陽性桿菌で、大きさが0.3~0.5*1.0~8.0μmの、いまだ人工培地での培養に成功していない抗酸菌です。

 経気道的あるいは経皮的に感染するも感染性は非常に弱く、ヒト以外の動物には感染しません。

 感染すると、末梢神経、皮膚、粘膜に増殖性炎症を起こします。

 

ハンセン病

 ライ菌が経気道的または経皮的に感染することで生じる慢性感染症です。

 ライ菌の病原性は非常に弱いので、成人が感染しても発症にいたることはまれですが、抵抗力の弱い乳幼児期にハンセン病の人と頻回の接触があった場合に感染、発症する可能性があります。

 潜伏期は数年~数十年と非常に長く、発症した場合は末梢神経障害や皮膚症状を呈します。

 

[治療]

 有効な治療薬によって治療可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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