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主な病原微生物 72.緑膿菌 72’.百日咳菌 72’’.アシネトバクター 72’’’.レジオネラ菌 72’’’’.ブルセラ・メリテンシス

 

主な病原微生物

主な病原微生物

 

♯主な細菌

主な細菌のグラム染色と形による分類


G(ー)桿菌

 

シュードモナス属(Pseudomonas)
72.緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)

ボルデテラ属(Bordetella)
72’.百日咳菌(Bordetella pertussis)

アシネトバクター属(Acinetobacter)
72’’.アシネトバクター(Acinetobacter baumannii)

レジオネラ属(Legionella
72’’’.レジオネラ菌(Legionella pneumophila)

ブルセラ属(Brucella)
72’’’’.ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)

 

72.緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)      

[特徴]

 シュードモナス属緑膿菌は、大きさが0.5~0.8*1.5~3.0μm、自然界に広く存在するグラム陰性好気性桿菌です。

 莢膜、芽胞はないが一端に1~数本の鞭毛をもち活発に運動します。

 シュードモナス属緑膿菌は、土壌、水中など湿潤な場所に生息するほか、ヒトの皮膚や腸管にみられるときもあります。

 生育温度範囲が広く、自然環境に適用しやすい。

 シュードモナス属緑膿菌は、元来は弱毒菌で、健康なヒトには通常病原性を示さないが、生体防御機能の低下した易感染性宿主(compromised host)に感染をきたす代表的な日和見感染(opportunistic infection)の原因菌です。

 肺炎、敗血症を起こし予後不良となることがあり、また、尿路感染症、皮膚感染症、外耳炎、角膜炎の原因にもなります。

[治療]

 治療には、シュードモナス属緑膿菌が多くの抗菌薬に耐性を示すため、薬剤感受性試験を行ないベストの抗菌薬を選択します。

 アミノグリコシド系のゲンタマイシン、アミカシンなど、βラクタム系抗菌薬のピペラシリン、セフスロジンなどが有効です。ただ、

 これらにも耐性をもつ多剤耐性菌が出現しており、治療を困難にしています。ここで、最近、

 

 抗菌剤への耐性をもつ緑膿菌を殺菌する新手法名古屋大大学院理学研究科などのチームが開発しました。

 

 緑膿菌が生存するのに必要なの代わりに、

色を出す色素「ガリウムフタロシアニン(GaPc)」を緑膿菌に取り込ませ、

その色素に近赤外光を当てると、

緑膿菌にとって有害な活性酸素が発生します。

 その活性酸素が緑膿菌を死滅させる、と発表しました

 

米国化学会の専門誌の電子版に論文として掲載

(https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acschembio.9b00373)

 

72’.百日咳菌(Bordetella pertussis)

[特徴]

ボルデテラ属の百日咳菌は、百日咳の原因菌で、グラム陰性小型(0.2~0.5*1.0μm)の、鞭毛を有する非芽胞形成の好気性桿菌です。

 伝染性が非常に強く、飛沫によって経気道的に侵入し、気管上皮に付着して増殖します。

 ボルデテラ属の百日咳菌は、百日咳毒素などを産生して気管支、細気管支に炎症を起こし、上皮細胞に障害を与え、壊死させて線毛運動を抑制するため、気道に分泌物の貯留をきたします。

 

百日咳

ボルデテラ属の百日咳菌に感染後、5~14日の潜伏期間を経て発症し、悪寒、発熱、倦怠感などのかぜ症状を呈するカタル期(排菌があり、伝染力が強い)が1~2週続き、咳が強くなり、特有の痙咳期(発作性の咳を反復する時期)が1~6週続きます。そして、

 

咳をする男性

 

 通常7~8週で治癒します。ただ、肺炎や無気肺、中耳炎、脳症、激しい咳嗽に伴う気胸やヘルニアなどの合併症を起こすこともあります。

[予防]

 予防には百日咳ワクチンが有効です。

 ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドと合わせて3種混合ワクチン(DPT)接種が行なわれています。

[治療]

 治療はカタル期にエリスロマイシン系などを使用します。

 

72’’.アシネトバクター(Acinetobacter baumannii)

[特徴]

 アシネトバクター属菌は、グラム陰性好気性桿菌です。

 土壌や水中、ヒトの皮膚などに広く分布し、乾燥環境にも比較的強く、病原性は弱いが、易感染性宿主に対する日和見感染症の原因菌になります。

 易感染性宿主における人工呼吸器管理下での肺炎や、中心静脈カテーテル留置による敗血症、尿道カテーテル留置における尿路感染症などを引き起こします。

 

72’’’.レジオネラ菌(Legionella pneumophila)

[特徴]

 レジオネラ属菌は、グラム陰性好気性桿菌です。

 河川や土壌などの自然環境に生息しますが、冷却塔や循環ろ過式浴槽、温泉、噴水などの水利設備においても増殖する菌です。

 

噴水

 

 レジオネラ属菌を含む霧(エアロゾル)の吸入や、レジオネラ属菌に汚染された水の誤嚥などによって体内に入ると感染し、肺炎などを引き起こします。

 

レジオネラ肺炎

 レジオネラ属菌の吸入後2~10日間の潜伏期間を経て発熱、全身倦怠感、筋肉痛などのかぜ症状で発症し、しだいに、咳、痰、胸痛などの呼吸器症状が現われて呼吸困難を招きます。

  傾眠、意識障害などの精神障害などの精神症状を伴う場合もあります。

 [治療]

 エリスロマイシン系やリファンピシン、ニューキノロン系の抗菌薬は有効ですが、βラクタム系抗菌薬は無効です。

 

72’’’’.ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)

[特徴]

 ブルセラ属菌は、大きさが0.5~0.7*0.6~1.5μmのグラム陰性好気性桿菌で、ブルセラ症の原因菌です。

 保菌動物との接触やブルセラ属菌に汚染された乳製品を摂食することにより感染します。

ブルセラ症

 ブルセラ属菌感染後1~3週間の潜伏期間を経て発症し、波状熱(有熱期と無熱期を数週~数ヶ月単位で繰り返す)を呈し、倦怠感、背部痛、関節痛などを伴います。

[治療]

 治療はテトラサイクリン系抗菌薬とアミノグリコシド系抗菌薬の併用療法がもちいられます。

 

 

 

 

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