主な病原微生物のチョコット知識
③マラリア原虫
主な病原微生物
③マラリア原虫(Plasmodium malariaeー四日熱マラリア原虫 )
[特徴]
マラリア原虫は大きさが直径1.55μmのハマダラカによって媒介されるマラリア(malaria)の病原体です。
蚊を終宿主、ヒトや動物を中間宿主としながら複雑な生活環を形成します。
マラリア原虫には、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫と卵形マラリア原虫の4種類があり、それぞれ、潜伏期や症状の重篤度に違いがあります。
マラリアは発熱、貧血、脾腫を三大主微とします。
発熱(39~41℃)は悪寒戦慄を伴って急激に起こり、悪心・嘔吐、頭痛、筋肉痛などを訴えることもあります。
マラリア原虫に感染すると全身倦怠感、頭痛、食欲不振などの前駆症状があり、次いで熱発作が起き、体温が上昇します。
続いて大量の発汗のため解熱します。
この発熱と解熱のサイクルには一定の周期がみられ、マラリア原虫が赤血球を破壊するとき(貧血)と一致します。 そして、
慢性期になると、発熱発作は弱まるが、貧血や破壊された赤血球を処理するのに脾臓が腫大し、肝細胞も破壊されるため、肝臓の腫大も起こします。
予防として、流行地では蚊に刺されないようにすることです。とくに、
ハマダラカが吸血活動を行なう夕方から朝方までの外出を避け、やむをえず、外出するときは明るい色の長袖上着、長ズボンを着用します。そして、
露出部には昆虫忌避剤を塗布します。
屋内では、殺虫剤をしみこませた蚊帳を使用します。
また、蚊取り線香や殺虫剤の噴霧も有効、とのことです。
[治療]
クロロキン、キニーネ、ST合剤、ファンシダールなどを使用します。ただ、
クロロキンやファンシダールなどの薬剤に耐性を示すマラリア原虫も出現しています。
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