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主な病原微生物 ㉞ A型肝炎ウイルス ㉞´E型肝炎ウイルス ㉟ B型肝炎ウイルス ㉟´D型肝炎ウイルス ㊱C型肝炎ウイルス  ㊱ C型肝炎ウイルス

 

主な病原微生物

2017主な病原微生物

 

ウイルス

A型肝炎ウイルス(HAV:Hepatitis A virus)

㉞´E型肝炎ウイルス(HEV:Hepatitis E virus)

㉟B型肝炎ウイルス(HBV:Hepatitis B virus)

㉟´D型肝炎ウイルス(HDV:Hepatitis D virus)

C型肝炎ウイルス(HCV:Hepatitis C virus)

マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアの特徴

 

ウイルスは

 

 肝臓の病気の原因として、ウイルス、薬物、アルコール、免疫異常や代謝異常などが代表的なものとしてあげられます。

 その症状は、自覚的には食欲不振、全身倦怠感など、他覚的には肝腫大、黄疸、腹水、浮腫などがあります。肝臓の病気の終着は肝硬変で、肝がんの合併も少なくありません。

 

肝疾患の主な原因と進行

 

 なかでも、

 ウイルスが肝細胞内で増殖することによって発症する急性および慢性の炎症はウイルス性肝炎(viral hepatitis)、肝細胞を標的細胞として感染するウイルスは肝炎ウイルス(hepatitis viruses)とよばれています。

 ウイルス性肝炎には、少なくとも、A、B、C,D、E型の5種類があります。  これらのうち、

 A、E型は主として経口的に感染し、散発性あるいは流行性の肝炎を起こし、通常は一過性の感染で終わります。 一方、

 B、C、D型は、血液や体液を介して感染し、一過性感染のほかに、持続感染を起こすので、治りにくく、また慢性化しやすく、しかも慢性肝炎の約10%は肝硬変に進み、その半数は肝がんになるといわれています。さらに、

 急激に悪化すると劇症肝炎を引き起こし、死に至ることもあります。

 これらのウイルスによる肝炎はそれぞれ臨床的にはほとんど区別できません。

 いずれも発熱と食欲不振、肝機能の障害を伴います。

 

㉞A型肝炎ウイルス(HAV:Hepatitis A virus)

[特徴]

 HAVの形態は球形、大きさは27~32nm、エンベロープをもちゲノムは1本鎖RNAです。

 HAVはHAVに汚染された食べ物や水を介して経口的に感染(糞口感染)後、肝細胞で増殖し、胆汁・胆管を通じて糞便中に排出されます。

 HAVによる肝障害は、HAVの肝細胞における増殖によるものだけでなく、感染細胞に対する免疫反応(キラーT細胞による傷害など)に基づくものと考えられています。

A型肝炎

 A型肝炎は流行性肝炎ともいわれ、HAVに感染しても慢性肝炎に移行することもなく、比較的治癒しやすい肝炎です。

 A型肝炎の主な感染ルートはHAVに汚染された生の貝類などを食べることで、感染約4週間後に発熱、倦怠感、食欲の低下、吐き気などの不快な症状が現われます。

 続いて黄疸が出現します。

 通常、1~2か月で治癒し、慢性化することはありません。

 小児は不顕性感染か発症しても軽症で、高齢者を含む成人では重症化しやすい、とのことです。

[予防]

 流行地へ旅行または滞在する場合は、生の食物、生水の摂取を避けることが重要です。また、

 A型肝炎ワクチン(不活化ワクチン)をあらかじめ接種しておくのも予防法のひとつです

 

㉞´E型肝炎ウイルス(HEV:Hepatitis E virus)

[特徴] 

   HEVの形態は球状で、大きさは27~34nm。

 ゲノムはRNA1本鎖、エンベロープはもっていません。

  HEVは HAVと同様に汚染された食物、水を介して経口的に感染します。

E型肝炎

E型肝炎は感染後1~2ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、発熱、悪心、黄疸などの症状を呈します。

 通常、1ヶ月程度で治癒し慢性化はしません。

 臨床的にはA型肝炎に似ていますが、劇症肝炎の発生率はA型肝炎より高く、妊婦は重症化しやすい、といわれています。

[治療]

   治療は対症療法が中心です。

 ワクチンはありません。

 

B型肝炎ウイルス(HBV:Hepatitis B virus)

[特徴]

 HBVの形態は球形、大きさは42nm、コア内に2本鎖DNAが含まれるエンベロープを有するウイルスです。

 HBVには、二重構造をしている中心の核にHBe(Hepatitis Be)抗原とHBc(Hepatitis B core)抗原、および、その表面にHBs(Hepatitis B surface)抗原の3種類の抗原があります。

 

B型肝炎ウイルスの構造[B型肝炎ウイルスの構造]

 

 HBe抗原はHBc抗原とともにカプソメア(カプシドの構造単位)の構造タンパク質に担われて存在します。そして、

 HBe抗原はカプシド(ウイルス核酸と結合タンパク質を取り巻くタンパク質殻)の内部にあり表面には存在しません。

 eは抗原決定基の名称です。

 

B型肝炎ウイルスの抗原[B型肝炎ウイルスの抗原]

 

 

HBs抗原

 

 HBs抗原が陽性(+)ならばB型肝炎ウイルスに感染中を意味し、その人の血液は感染力があります。

 HBs抗体が陽性(+)の場合は以前にB型肝炎ウイルスに感染したことを示し、現在はその人の体内にはウイルスはいないので感染力はありません。

 HBs抗原が陽性(+)のときはさらにHBe抗原・抗体の検査をします。

 HBe抗原が陽性(+)の場合はその人の血液の感染力は強く(HBs抗原の1億倍)、HBe抗体が陽性(+)の場合はやや血液の感染力は弱いと考えられます。

 

B型肝炎

 B型肝炎の主なルートはHBVに汚染された血液の輸血、汚染された血液からつくられた血液製剤の使用、感染者との性交、注射器、ハリ治療、刺青など。

 このほかに、胎盤を通じての胎児への母児感染も多くみられます。

 B型肝炎の症状としては発熱はあまりなく、また、A型肝炎の症状より全体的にやや軽めです。しかし、

 慢性肝炎を発症すると、慢性肝炎は自覚症状に乏しいが、活動期には全身倦怠感、食欲不振,黄疸などがでてきます。

 肝硬変に進むと肝機能が著しく障害され、黄疸、手掌紅斑、クモ状血管腫、食道静脈瘤、腹水、出血傾向、肝性脳症など重篤な症状が現われます。

 

肝硬変による障害と症状

 

[予防]

 B型肝炎患者やHBVキャリアと接触するとHBVに感染します。

 感染経路は母子感染、血液を介しての感染、性行為による感染があります。

 HBVの母子感染は、抗HBVヒト免疫グロブリン投与とHBワクチン接種により予防できます。

 医療従事者の針刺し事故などで感染した可能性がある場合は、できるだけ早く抗HBVヒト免疫グロブリンを静注し、HBワクチンを接種することです。

 

[治療]

治療は、B型慢性活動性肝炎に対してはインターフェロンなどが用いられます。ラミブジン、アデホビル、エンテカビルなどの抗HBV薬も使用されます。

 

㉟´D型肝炎ウイルス(HDV:Hepatitis D virus)

[特徴]

 HDVの表面はB型肝炎ウイルスのHBs抗原(エンベロープ)でおおわれ、内部に1本鎖RNAとデルタ(D)抗原をもっています。

 自己の構造たんぱくをつくる遺伝子をもっていないHDVはHBVをヘルパーウイルスとして増殖します。そして、HBVと同時感染するか、HBVキャリアに重複感染するとD型肝炎を起こします。

 

D(デルタ)型肝炎

 HDVがHBVと同時感染すると、3~20週間の潜伏期を経て急激に発症し重症化しやすい。

 急性B型肝炎が治癒すると、D型肝炎も改善します。

 HBVキャリアがHDVと重複感染すると、約30%が慢性肝炎に移行するといわれています。

 

C型肝炎ウイルス(HCV:Hepatitis C virus)

[特徴]

 HCVのの形態は球形で大きさは55~65nm、エンベロープをもち、ゲノムは1本鎖RNAからなりたっています。

 HBVと同様に主として血液、体液を介して感染します。

 母子感染や性行為を介しての感染もHBVに比べると少ない、とのことです。

 HCVに感染した場合は、持続感染しやすく、HCVキャリアや慢性C型肝炎になりやすい。これは、

 エンベロープの糖たんぱく質の遺伝子領域に変異が生じやすい部分があり、それが免疫を逃れて感染が持続し、慢性化する理由の一つと考えられています。

 

インフルエンザA型

[ウイルスの模式図]
(インフルエンザウイルス)

C型肝炎

 C型肝炎の主な感染ルートは、HCVに汚染された血液の輸血、汚染された血液からつくられた血液製剤の使用、注射器、ハリ治療、刺青などです。

 性交による感染はほとんどありません。

C型肝炎は2~16週間の潜伏期ののち発症しますが、一般に軽症です。しかし

 自然治癒はありません。

 高率に持続感染することが特徴です。

 急性肝炎の75~85%が慢性肝炎に移行し、平均20年で10~16%が肝硬変に、肝硬変はさらに、年に5%以上が肝がんになるといわれています。

 C型肝炎の症状は全身倦怠感、食欲の低下、発熱、悪心、吐き気、黄疸など。

 A型肝炎の症状より全体的にずっと軽めです。

 

[治療]

①C型肝炎ウイルスを排除する治療

 治療は、慢性C型肝炎に対してインターフェロン(Interferon)とリバピリン(Ribavirin)の併用投与がおこなわれています。さらに、

 ハーボニー配合錠(レジパスビル、ソホスブビル)も用いられています。

 

②C型肝炎の進行を遅らせる治療

インターフェロン少量長期投与

ウイルスを完全に排除する場合にはインターフェロンを一定の量を期間を限って投与しますが、病気進行を遅くする治療の場合には少量を長期にわたって投与します。

グリチルリチン、ウルソデオキシコール酸、
小柴胡湯、緑茶

これらは肝臓を保護する働きがあり、肝炎の炎症を抑えることによって病気の進行を遅らせる効果が期待できます。

瀉血

C型肝炎になると肝臓に鉄分がたまるようになります。この鉄が増えると炎症が強くなり悪化するため、血液を取って捨てることをくり返し、鉄を減らします(除鉄療法)。同時に鉄分の多い食事も控えます(鉄制限食)。

 

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