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“免疫”のチョコット知識⑧ がんと免疫(免疫チェックポイント阻害剤)


“免疫”のチョコット知識⑧
がんと免疫(免疫チェックポイント阻害剤)

がんと免疫(免疫チェックポイント阻害剤)

 がんはピロリ菌、肝炎ウイルスなどによる持続感染や食生活、たばこ、ストレスなどによって、自分の細胞だったものが、神経やホルモンなどの抑止をきかずに自分勝手に異常増殖をするようになった細胞です。

 まず、がん細胞は基底膜を破壊(突破)し、周囲に縄張りを拡げ(浸潤)さらには、遠く離れた場所に飛び、そこでも活発に異常増殖(転移)を始めます。

 がん細胞の発生要因は、細胞分裂時のDNA複製のエラーや紫外線(UV)、感染、化学物質、放射線などの影響を長期にわたって受けることにより、遺伝子に変異が起こり、がん細胞が発生します。

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DNA2

 DNA

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 ヒトを構成する約60兆個の細胞は、分裂や増殖に加えて、DNAに傷ができれば、細胞核外で働くドライバー遺伝子の一つのがん抑制遺伝子53の働きにより、その傷を修復をして細胞が異常増殖するのを防ぎます。

 また、仮に、 がん化した異常細胞が出現したとしても、免疫システム(免疫監視機構)の能力が優っていれば、がん細胞にアポトーシス(Apoptosis 細胞の自殺)を誘導します。

 さらに、 細胞増殖の調整と抑制を行ない、細胞の機能を正常に保ちます。

 



[細胞]

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 そのため、がんになる細胞が発生したとしても、さまざまな免疫システムのなかで、がん化することは非常に少ないはずです。.

 しかし、がん抑制遺伝子53に異常が起こりその機能が損なわれると、遺伝子の変異の蓄積やアポトーシスの不調、細胞の異常増殖を引き起こし細胞はがん化します。

[細胞]

.

  ただ、一部の正常細胞ががん細胞に変異し続けているにもかかわらず、がんが頻繁に発生しないのは、免疫システムが、日々できてくるがん細胞を排除して、がん が大きくならないよう未然に防いでいるためと考えられています。

免疫細胞によるがん細胞攻撃(改201702)

           
           NKT細胞

    MHC分子(主要組織適合抗原遺伝子複合体)

    [がん細胞と免疫細胞]

   

 キラーT細胞はMHC分子とがん抗原を認識し、NK細胞はMHC分子の異常を察知してがん細胞を攻撃します。がん細胞には正常細胞には存在しない、がん特有のさまざまながん抗原があります。

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免疫反応

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免疫システムのなかのキラーT細胞は、

 

  がん細胞の表面にMHC分子とともに提示された
がん抗原(MHC分子+がん抗原ペプチド)を認識して
がん細胞を殺します。

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 また、免疫システムのなかのNK細胞は

 

 とくにがん抗原を認識するわけではないのですが、
がん細胞表面のMHC分子の異常(減少や消失)を察知して
がん細胞を破壊します。

 そのほか、NK細胞とT細胞の性質をもつNKT細胞も
がん細胞を攻撃します。
がん細胞を認識したNKT細胞が活性化されると
抗腫瘍作用をもつインターフェロンγ(INF-γ)を産生し、
腫瘍細胞を排除するように働きます。

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 ところが、がん細胞は、こうした攻撃から逃れるために、がん抗原を細胞表面から消失させたり目印となるMHC分子をなくしたり、また、免疫抑制物質を分泌したりして免疫細胞から逃避します(がん細胞の免疫回避)



がん細胞の免疫回避

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 がん治療には外科療法、化学療法、放射線療法の3療法が確立されていますが、第4の治療法として期待されているのが免疫療法です。

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免疫

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 その免疫療法にも①ワクチン療法、②抗体療法、③細胞療法があります。

ワクチン療法
免疫反応を促進させる物質や樹状細胞を混ぜて投与する療法

②抗体療法
がん細胞に結合する抗体を投与する療法
(モノクローナル抗体) 

③細胞療法
がん細胞を殺すキラーT細胞を投与する療法 

 しかし、どの方法も効果は十分ではなく、標準的な治療法にはならなかった、といわれています。そこで、脚光を浴びてきたのが④免疫チェックポイント阻害剤です。

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免疫チェックポイント阻害剤


 免疫細胞(T細胞など)は活性化しすぎると自己の細胞を攻撃する自己免疫反応を起こすため、その表面には免疫反応を抑制する分子が備わっています。このブレーキ役免疫チェックポイント(PD-1分子など)と
呼ばれるものです。
過剰な免疫反応にブレーキをかける分子

 しかし、がん細胞のなかにはこの免疫チェックポイントに働きかけ、免疫反応を起こさせないようにしている分子(PD-L1など)があります。

 この分子の作用をブロックし、免疫細胞の本来の力を発揮させ、がん細胞を攻撃できるようにするのが免疫チェックポイント阻害剤抗PD-1抗体など)です。

[がん細胞、免疫細胞、免疫チェックポイント阻害剤]
PD-L1:Programmed deth-ligand 1
PD-1:Programmed cell death-1

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ヒトの身体の免疫に携わるT細胞は、
通常は異物であるがん細胞を攻撃します。(T細胞の活性化)が、

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がん細胞がつくるPD-L1という物質が
T細胞のPD-1受容体と結合すると、
免疫機能がうまく働かなくなり、
がん細胞を攻撃することができません。
(T細胞の活性化にブレーキ)

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免疫チェックポイント阻害剤抗PD-1抗体は、
T細胞のPD-1受容体に結合し、
がん細胞のPDL-1とT細胞のPD-1との結合を阻止します。

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そうなると、

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T細胞がん細胞

フルパワーで攻撃する

ことができます。

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わたしたちの持っている”免疫”って本当にすごい!

”抗PD-1抗体”を”オプジーボ”に置き換えてみてください。

ただ、厚生労働省はがん免疫治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)を患者に使った後、
劇症肝炎を発症して死亡したとの報告が2017年~2020年8月に3例あったと発表し、
いずれも因果関係は否定できないといい、
薬の添付文書に重大な副作用として劇症肝炎を加えるように指示した、と
いう。
(朝日新聞ー2020年12月2日)

 

この免疫チェックポイント(PD-1)の発見と、
免疫チェックポイントを阻害することで免疫系を賦活化する
新しいがん治療を確立した功績により
京都大学の 本庶 佑博士と米国テキサス大 ジェイムズ アリソン博士が
ノーベル生理学医学賞を受賞しました。

 

免疫チェックポイント阻害剤の問題点

①治療効果に個人差がある。
②免疫反応のブレーキをはずすことにより、自己に対しても免疫反応がみられるようになる。
③治療費が高額  などがあります。

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この度!地下足袋!リンクの旅へどうぞ~

詳しくは

花野井薬局健康コラム“なにをいまさら、されど「アレルギー」
ご覧ください。
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