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“免疫”のチョコット知識⑪ 免疫寛容 自己免疫疾患


“免疫”のチョコット知識⑪
免疫寛容
自己免疫疾患

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 免疫寛容 自己免疫疾患

  ヒトをはじめとする哺乳類は、外から侵入してくる異物を排除するために、無限とも思えるほどの数の、異なる種類のT細胞やB細胞(抗体)を産出します。

  そして、産出されたそれらの免疫は、自己や共生細菌(善玉微生物)、食物に対しては反応を示さないようになっています。        が、

免疫とバイキン

[免疫と異物]

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 これら膨大な数の免疫の中には、自分の体細胞や組織(自己抗原)に対して攻撃するT細胞やB細胞ができることがあります。.

 この宿命的な大問題を防止するために、生体は様々なレベルにおける免疫寛容(immune tolerance)を生み出し、自己攻撃性を有するT細胞自己を攻撃する抗体を産出するB細胞を発達の過程で除去(中枢性免疫寛容)あるいは免疫不応答状態(末梢性免疫寛容)にするという巧妙なメカニズムを樹立しています。

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血液の成分と働き

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白血球

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リンパ球図式

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中枢性免疫寛容…骨髄や胸腺で、自己に反応するT細胞B細胞除去するメカニズム。

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自己を攻撃する

V

T細胞

除去

[骨髄や胸腺]

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自己を攻撃する

V

B細胞

除去

[骨髄]

V
V
V

移植臓器片の抗原認識20170501自己免疫寛容

中枢性免疫寛容

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末梢性免疫寛容…中枢性免疫寛容で除去を免れた自己反応性細胞が、制御性T細胞によって免疫不応答状態(アネルギー:anergyに誘導されるメカニズム。

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免疫反応

免疫不応答状態

末梢性免疫寛容

 

Tレグ細胞による抑制…①と②の防御機能をもってしても、すべての自己反応性T細胞を排除しきれない場合、Tレグ細胞が自己を攻撃する免疫細胞を破壊したり自己に反応できないように無力化して、より積極的な防御となるメカニズム。

[追記]

 制御性T細胞(Tレグ)の発見による臨床への応用は、がんの治療だけでなく
臓器移植の際の拒絶反応の制御、自己免疫疾患、感染症、アレルギー疾患の
治療など、多種多様な疾患や症状への対応が考えられています。

坂口志文ほか『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』講談社 2020

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ここでチョットモーメント

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 これらのことから、免疫は自己抗原に対しては抗体やNK細胞、キラーT細胞などを産出しないのが原則です。しかし、

 この原則が時として破られ、 自分の身体の組織を攻撃排除する悪玉免疫細胞(自己免疫型T細胞「Th17細胞」)がつくられることがあります。

 悪玉免疫細胞は自己免疫疾患では組織障害を起こす主役と考えられています。

  この悪玉免疫細胞が機能活動すると、さまざまな自己免疫にかかわる病気が発症します。

  これが自己免疫疾患(autoimmune disease)といわれるものです。

 

  ここで、悪玉免疫細胞をつくる
遺伝子( IカッパーBゼータ : Iκ Bζ )は、
すでに発見され、

そして、リウマチの原因物質のひとつとして報告されています

                                     (東京医科歯科大学などの研究グループ)

「Nature 2010.04.11 オンライン版から引用」

 

[イメージ図] 

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 もし、この IカッパーBゼータ遺伝子の働きを抑えることができれば、悪玉免疫細胞の産出は少なくなります。

 そうなれば、自分が自分の身体の成分に対して攻撃排除する抗原抗体反応は激減します。

 このことは自己免疫疾患(関節リウマチやSLE、多発性硬化症、乾癬など)を治療する新規の方法として期待できます。

 そして、Th17細胞(Th-17)が分泌するIL-17は関節リウマチの関節滑膜を攻撃する原因物質のひとつとして報告されています。

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~この度!地下足袋!リンクの旅へどうぞ~

”膠原病”詳しくは、花野井薬局プライベートノート

“「膠原病」のチョコット知識” 

 ご覧ください。

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