“呼吸”のチョコット知識⑤
アミノ酸代謝
食事から摂取したたんぱく質に由来するアミノ酸および、古くなった体たんぱく質の分解で生じたアミノ酸は、たんぱく合成、糖質、脂質、核塩基成分、ある種のホルモンの出発原料となるばかりでなく、呼吸のエネルギー源としても利用されます。
[アミノ酸代謝経路].
Ⅲ.アミノ酸代謝
*食事由来のアミノ酸
三大栄養素のひとつでもあるたんぱく質は消化吸収されるとアミノ酸に分解されます。
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アミノ酸も単糖類と同じく小腸壁にあるじゅう毛の栄養吸収細胞(吸収上皮細胞)から吸収され、毛細血管から肝門脈を経由して肝臓に入り、肝静脈を通って全身に運ばれます。
[ 栄養分の吸収 ]
*体たんぱく質由来のアミノ酸
体の組織を構成する体たんぱく質は、常に、合成と分解を繰り返しています。古くなった体たんぱく質が種々の酵素によって分解されてできたアミノ酸は肝臓や血液中にプールされます。(アミノ酸プール)
食事由来のアミノ酸もいったん、このプールで体たんぱく質由来のアミノ酸と合流した後、全身で利用されます。
糖質や脂肪のエネルギー源が不足すると筋肉中のアミノ酸が分解され、エネルギー源として呼吸に使用されます。
アミノ酸がアミノ基転移や脱アミノ化されると、アミノ酸(アラニン、ロイシンなど)の種類に対応した各種の有機酸(ピルビン酸、アセチルCoAなど)ができます。その有機酸が呼吸基質となって解糖系やTCAサイクルの途中から入り、エネルギーを産生します。
アミノ基転移の一例
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脱アミノ化
(アミノ酸) (有機酸)
アラニン→ピルビン酸 (解糖系)
ロイシン→アセチルCoA (TCAサイクル)
グルタミン酸→2-オキソグルタル酸(TCAサイクル)
アスパラギン酸→オキサロ酢酸 (TCAサイクル)
など
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↑
ミトコンドリア
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ここで、アミノ酸をエネルギー源として呼吸に利用するには、アミノ酸は窒素(N)を含んでいるため、脱アミノ化によって窒素成分(アミノ基)を取り除く必要があります。
そのアミノ基から生じたアンモニアは肝臓内の尿素サイクルにおいて、低毒性かつ水溶性の尿素に変換されて腎臓から尿として排泄されます。
複雑な有機物を分解して生命活動に必要なエネルギーを
取り出す反応が呼吸です。
O2:酸素
CO2:炭酸ガス(二酸化炭素)
H2O:水
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生物は呼吸によって放出される化学エネルギーを
ATPに変化させて利用します。
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呼吸反応を円滑に進めるためには、
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