寄生虫のチョコット知識⑦
肝吸虫(肝ジストマ)
2.肝吸虫(肝ジストマ)
肝吸虫(Clonorchis sinensis)は成虫の体長が約1.5cm、体幅0.7~0.8cmの平たいヘラのような形をした寄生虫です。
肝吸虫は幼生生殖により多数のメタセルカニアをつくります。
ミラシジウム→スポロシスト→レディア→セルカニア→メタセルカニア
メタセルカニアを持った川魚を刺身やあらいなどの生食、または加熱不十分な調理で食べると感染します。
第1中間宿主をマメタニシ、第2中間宿主をコイ科淡水魚(コイ、フナ、モロコなど)とするこの肝吸虫は、胆管系に寄生して胆管内で成虫になります。
症状としては、胆管閉塞による胆汁分泌障害を起こしたり、肝臓や腎臓の肥大、黄疸、貧血、まれに寄生虫性肝硬変の原因になることもあります。
予防としては、コイ、フナなどの川魚を刺身や酢漬け、酢みそなどで生食しないことです。また、
煮たり焼いたりして火を通せば安全ですが、火の通りが不十分だと肝吸虫は死なないので加熱は十分にすることです。
3.広節裂頭条虫
広節裂頭条虫(Diphyllobothrium latum)は体幅1~1.5cm、体長は2~12mもある白色で”ゆでたきしめん”のような形をしています。
終末宿主(ヒト、イヌ、ネコなど)の糞便中の虫卵が水中で幼虫となり、第1中間宿主ケンミジンコの体内に入って、第2中間宿主であるマスに食べられると、マスの体内で幼虫になります。
魚肉とともにヒトの体内に侵入した幼虫は、速やかに発育し、約1ヶ月後には産卵することにより感染します。
無症状の場合もありますが、消化器障害、栄養障害、貧血などの原因となることもあります。
予防としては、サクラマスやサケ、ヤマメなどを生食しないことです。一度冷凍されたものを加工して食品にしたものは安全です。
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