感染症のチョコット知識⑧
ウェルシュ菌 ボツリヌス菌が起こす感染症
C.グラム陽性桿菌感染症
[G(+):グラム陽性、 G(-):グラム陰性]
胞子(芽胞)
e.ウェルシュ菌が起こす感染症(感染症のチョコット知識⑥⑦を参照)
ガス壊疽菌群ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は偏性嫌気性芽胞形成菌でガス壊疽や食中毒を引き起こします。
ウェルシュ菌による食中毒は産生するエンテロトキシンにより発症し、6~18時間の潜伏期間後、腹痛や下痢を主症状とします。
ウェルシュ菌による食中毒は感染後に毒素エンテロトキシンが産生されるので感染型の食中毒に分類されています。
[主な感染症]
ガス壊疽、食中毒、胆道感染症
f.ボツリヌス菌が起こす感染症
ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)も酸素が存在しているところでは生育できない偏性嫌気性芽胞形成菌で、毒素型食中毒の原因菌です。
[ボツリヌス菌のイメージ図]
ボツリヌス食中毒は嫌気性状態(酵素のない状態)のとき、胞子が発芽増殖し、産生された毒素ボツリヌストキシン(Botulinumtoxin)を食品とともに摂取することによって起こります。
無酸素状態をつくるいずしやハム・ソーセージ、自家製缶詰などの摂取後、12~36時間で発症し、悪心、嘔吐、複視、口渇などを伴い嚥下困難や呼吸筋麻痺などを来たします。
致死率は極めて高く、ボツリヌス毒素は破傷風毒素とともに1、2を争う人類の知る最強の毒です。
[主な感染症]
食中毒、乳児ボツリヌス症
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