感染症のチョコット知識⑭
プロテウス属、シュードモナス属が起こす感染症
D.グラム陰性桿菌感染症
e.プロテウス属が起こす感染症
プロテウス属(Proteus)の変形菌プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)とプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)は
腸内細菌科に属する細菌でヒトや動物の腸に常在しています。
常在菌ですが、日和見感染として院内感染のときなどにしばしば分離されます。
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日和見感染症は、健康な人には感染症を起こさない微生物(日和見感染体)によって発症する感染症のことをいいます。
一般に病気などで免疫が低下した人に起こります。
日和見感染を起こす微生物は身の回りに普通に存在していて、人に侵入する外因性の微生物と体内に存在している内因性の微生物とがあります。
日和見感染の病原体にはプロテウスや緑膿菌、ニューモシスチスカリニ(原虫)、サイトメガロウイルス、カンジタ(真菌)、トキソプラズマ(寄生虫)、クリプトコッカス(真菌)などがあります。
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[主な感染症]
尿路感染症、呼吸器感染症、敗血症、膿瘍など
f.シュードモナス属が起こす感染症
シュードモナス属(Pseudomonas)の緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)はヒトの皮膚や消化管内にも生息している身近な細菌です。
しかし、健康なヒトには病原性はほとんどありませんが、一旦、体の抵抗力が低下した場合には、呼吸器、消化器などに、後天的に薬剤耐性を獲得した緑膿菌による治療困難な緑膿菌感染症が引き起こされます。
多くの抗菌剤に自然耐性を獲得するので、日和見感染や院内感染の原因菌になります。
また、熱傷に引きつづいての緑膿菌皮膚感染や、さびた鉄粉が目に入り角膜を傷つけたときなどに緑膿菌感染による角膜潰瘍を発症する場合があります。
[主な感染症]
皮膚感染症、尿路感染症、呼吸器感染症、消化器感染症、角膜潰瘍 など
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