感染症のチョコット知識⑱スピロヘータが起こす感染症
トリポネーマ属、ボレリア属、レプトスピラ属が起こす
感染症
(b)スピロヘータが起こす感染症
スピロヘータ(Spirochaeta)は細長いらせん状のグラム陰性の細菌です。
らせん菌はらせん状でない菌に比べて運動の速度は遅いが、ふつうの細菌では動けないような粘調な液体や粘膜などの中でも移動することができ、粘膜組織への感染を引き起こす有利な性質をもっています。
スピロヘータのなかでもトリポネーマ属やボレリア属、レプトスピラ属にはヒトに病原性を示す細菌が属しています。.
a.トリポネーマ属が起こす感染症
トリポネーマ属(Treponema)の梅毒トリポネーマ(Treponema pallidum)は性行為で感染し、世界的に広がっている重要な細菌です。
性交の際の接触により皮膚粘膜のわずかな傷からも菌が侵入して感染します。
[主な感染症]
梅毒など
b.ボレリア属が起こす感染症
ボレリア属(Borrelia)の回帰熱ボレリア(Borrelia recurrentis)に感染すると3~10日間の潜伏期ののちに悪寒を伴って急激に発熱します。3~5日間の有熱期のあと急激に解熱します。この発作は3~10回、周期的に繰り返します。
またマダニに寄生しているライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi)に感染すると、発熱や関節痛、筋肉痛、神経麻痺などの症状が現われます。
ライム病という名前は、アメリカコネチカット州ライム地方で最初の患者が発見されたので名づけられました。
[ダニ]
[主な感染症]
回帰熱、ライム病など
c.レプトスピラ属が起こす感染症.
水たまりなどに生息するレプトスピラ-インテロガンス(Leptospira interrogans)は発熱を主訴とし、黄疸と粘膜の出血を伴い、腎不全と心筋炎をきたすこともあるワイル病の病原体です。
[主な感染症]
ワイル病など
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