感染症のチョコット知識㉒
インフルエンザウイルスが起こす感染症
(f)ウイルスが起こす感染症その2
細菌 マイコプラズマ リケッチア クラミジア ウイルスの特徴
マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアは細菌とウイルスの中間体ですが、
細胞をもち、DNAが遺伝情報の担体なので「細菌」に分類されています。
*************************
.
c.インフルエンザウイルスが起こす感染症(RNAウイルス)
膜たんぱく質や核たんぱく質の抗原性よって、インフルエンザウイルス(Influenza virus)には、A型、B型、C型の3種類の型があります。
[インフルエンザウイルスの比較]
いずれも、遺伝子としてRNAをもつRNAウイルスです。
インフルエンザウイルスは、遺伝子をたんぱく質の殻(カプシド:capsid)が包み、その外側を脂質でできた膜状の構造エンベロープ(envelope)が囲み、エンベロープの表面からはヘマグルチニン(HA:haemagglutinin)とノイラミニダーゼ(NA:neuraminidase)という抗原が突き出ています。
A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面から突き出た抗原、ヘマグルチニン(H1~H16の16種類)と、ノイラミニダーゼ(N1~N9の9種類)の組み合わせによって、144通りの亜型に分類されます。
[A型インフルエンザウイルス]
インフルエンザは伝染性がきわめて強い感染症で、多くは急速に大流行し、ときには世界的大流行(パンデミック:pandemic)となります。
飛沫感染か接触感染後、2~3日の潜伏期間をおいて、悪寒、頭痛、咽頭痛などの前駆症状をともなって発症し、咳、喀痰などの上気道症状のほか、全身の筋肉痛や関節痛などの激しい症状が現われます。.
さらに、細菌や真菌による二次感染を起こすことがあり、乳幼児や高齢者では重篤な肺炎や心筋炎を併発します。.
予防接種には不活化ワクチンが用いられますが、
インフルエンザウイルスは抗原(HA抗原、NA抗原)変異を起こしやすいので、体内にできた抗体は抗原の変異した新しいインフルエンザウイルスが出現するとそのウイルスに対しては働くことができません。
そのため、「生涯免疫」は得られないので毎年の接種が必要です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
結局!薬局!花野井薬局!
これまでヒトから分離されたウイルスは、HAがH1、H2、H3,
NAがN1、N2、N8です。
そのために「香港カゼA(H3 N2)亜型」「ソ連カゼA(H1 NI)亜型」
「アジアカゼA(H2 N2)亜型」と表記されます。
また、鳥インフルエンザはトリに対して
病原性を示すA型インフルエンザのヒトへの感染症です。
ヒトにおける感染は、
感染した家禽やその排泄物、死体、臓器などとの接触で起きます。
日本で発症した人は確認されていませんが、
A(H5N1)亜型とA(H7N9)亜型が2類感染症に指定されています。
それ以外の亜型は4類感染症に分類されます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
[主な感染症].
インフルエンザ、鳥インフルエンザ(H5 N1、H7 N9)、インフルエンザ肺炎、インフルエンザ脳症、ライ症候群(解熱剤とくにアスピリンと関連) など
-22-