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感染症のチョコット知識㉓ HIVによる感染症

 

病原微生物と感染症

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(f)ウイルスによる感染症  その3 

   (HIV)

 

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 主な病原微生物

 

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主な細菌

主な細菌のグラム染色と形による分類

G陽性桿菌図

[G(+):グラム陽性 G(-):グラム陰性]

胞子(芽胞)

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微生物の大きさ

<参考>赤血球ー7μm、卵白アルブミン-4nm

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細菌 マイコプラズマ リケッチア クラミジア ウイルスの特徴

マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアの特徴

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ウイルス(Virus)は、原虫や細菌、真菌に比べてさらに微小な微生物です。

ウイルスは、生命体の基本単位である細胞ではなく、生命設計図の遺伝子(核酸:DNAまたはRNA)を持ち特殊な方法で増殖します。

ウイルスは、DNAまたはRNAの一方しか持っていません。そして、単独ではたんぱく質を合成することができません。

ウイルスは、生きている細胞内でしか増殖できません。(偏性細胞内寄生性

ウイルスは、自前でたんぱく質を合成することも、エネルギーを産生することもできません。細胞に寄生(感染)すると、その細胞の機能を利用して増殖することができます。

ウイルスは、細胞外にあっては単なる微粒子で無生物ですが、ひとたび生きた細胞内に寄生すると生物としての特徴(遺伝子複製・増殖)を示します。

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d.HIVが起こす感染症(RNAウイルス)

 

HIV(Human immunodeficiency virus:ヒト免疫不全ウイルス)はマクロファージヘルパーT細胞感染して、進行性の、重症の免疫不全を引き起こすウイルスです。

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 [模式図]

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そして、エイズ(AIDS:Acquired Immunodeficiency Syndrome)はHIVの感染によって引き起こされる後天性免疫不全症候群です。

 

 

リンパ球図式

 

 

免疫は外部から侵入してくる異物(抗原)に対して、生体にとって有利に働く抗原抗体反応です。

 

たとえば、細菌(Bacteria)が生体に侵入すると…

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免疫

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細菌が体内に侵入すると、侵入場所には好中球がまっ先に駆けつけ集合し、細菌の貪食を始めます。 そして25個程度の細菌を食べた後、破裂して細菌ともども死んでしまいます。 (好中球と細菌の死骸=膿、眼脂、耳漏、膿性鼻汁、痰など)

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次に、好中球と同様の働きをするものにマクロファージ(←単球)がありますが、好中球よりも大きく「大食細胞」とも呼ばれています。 アメーバーのように移動しながら触手を伸ばし、細菌などを包みこんで消化してしまいます。 1個のマクロファージは100個程度の細菌を食します。 さらに、マクロファージは細菌を貪食しながら、間脳視床下部体温中枢を刺激(サイトカインの一種インターロイキン1)して体温を上昇させ、白血球の働きを活発にします。 と同時に、マクロファージは細菌(抗原)の情報を私達リンパ球成分のT細胞(ヘルパーT細胞)に伝達(モノカイン)するという重要な役割を担っています。

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マクロファージから情報を得たT細胞は細菌が「自己」か「非自己」かを見分けます。 「非自己」と認識した場合は、B細胞に抗体産出の指令(リンフォカイン)を発します。 つまり、T細胞には抗体産出を促進するヘルパーT細胞、逆に抑制する制御性T細胞などがあり、免疫系の制御の中心となっています。

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はこのヘルパーT細胞を破壊します。→後天性免疫不全症候群(AIDS]

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ヘルパ-T細胞から抗体産出の指令を受けたB細胞は分化・成熟してプラズマ細胞形質球)となります。(通常、形質球の白血球百分比は0%)

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さらに、プラズマ細胞は、特定の抗原(ここでは特定の細菌)に対応する特定の抗体(免疫グロブリンIgG=Immunogloburin G)を血清中に大量に産出します。 この抗体が細菌を攻撃(抗原抗体反応)して死滅させてしまうのです。 この時点で制御性T細胞が働いて抗体産出を中止させ、生体は細菌侵入前の状態に戻ります。

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このように、免疫によって細菌を排除します。

 

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ところがHIVは免疫をつくるマクロファージヘルパーT細胞感染します。
(細胞表面への吸着、細胞内への侵入)

 

 

HIV感染

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HIVに感染したヘルパーT細胞からはウイルス構造のたんぱく質とウイルス粒子がつくられます。
カプシド脱殻、ウイルス遺伝子やたんぱく質の生産、ウイルスの複製)

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大量につくられ、成熟したHIVはヘルパーT細胞を破壊してヘルパーT細胞の表面から飛び出していきます。
(細胞の破壊、ウイルス粒子放出)

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そして、これらのHIVは新たなヘルパーT細胞に侵入して増殖を続けます。

 

.細胞

 

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 HIVに感染すると、2~4週間後にインフルエンザ様症状(発熱、咽頭痛、頭痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹、筋肉痛など)が出現します。急性症状がみられるのは20~50%で残りは無症状です。

その後、HIVに対する免疫が誘導されてHIVの増殖が抑えられるので、血中HIVが一時的に減少するものの、ウイルスは完全に排除されることはありません。

 

 感染者は長い期間無症状で経過します(無症候性キャリア)。
しかし、経過とともにHIVの増殖が免疫による抑制を上まわり、宿主細胞のヘルパーT細胞がしだいに減少し、免疫不全状態に陥ります。この病態をエイズと呼びます。

 

 感染からエイズ発症までの期間は平均して約10年です。

 

 エイズはHIVに感染している症候群です。 HIV感染によって引き起こされた高度な免疫不全により、日和見感染症や腫瘍、認知症などの二次的疾患を合併します。

 

 エイズの段階にいたると、血中のHIVは増加し、ヘルパーT細胞は著明に減少します。全身症状(下痢、体重減少、発熱など)、日和見感染症(ニューモシスチス肺炎サイトメガロウイルス感染症、カンジダなどの真菌症抗酸菌症など)、腫瘍(カポジ肉腫リンパ腫など)、神経症状(脳症認知症など)などを合併して複雑な病状を呈します。

 

 

[主な感染症]

  AIDS

 

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