『”感覚器”のチョコット知識』
Ⅲ.嗅覚器 副鼻腔炎 アレルギー性鼻炎
Ⅲ.嗅覚器
鼻は、外界からの情報を感知する感覚器の一つで、においを感じる器官です。
鼻は、においを感じるばかりでなく、肺に空気を取り入れたり、肺の空気を吐き出したりもします。そして、取り入れた空気を加温(25~37℃)・加湿(35~80%)し、快適な状態にしてから気管支に送り込みます。 また、
鼻は吸い込んだ空気に含まれるチリやホコリ、細菌・ウイルスなどを取り除くという大切な働きもしています。
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[鼻の構造]
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鼻の入り口付近の鼻孔を含めた鼻の空洞全体を鼻腔といい、鼻腔は上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介によって、上鼻道、中鼻道、下鼻道の3層の空気の通り道に分けられています。
さらに、鼻の真中には鼻腔粘膜の表面積を広げるための鼻中隔という壁があり、鼻を左右に分けています。
また、鼻腔を取り囲む骨の内部には空洞があり、副鼻腔といわれ、ヒトでは前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞から成っています。
副鼻腔はそれぞれ粘膜でおおわれた骨壁で囲まれていますが、鼻腔とは狭い管で通じています。
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[副鼻腔]
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においを嗅ぎ分ける嗅覚にかかわるところは鼻腔上鼻道の天井にある嗅上皮とよばれ、
嗅上皮は1円玉ほどの大きさですが、鼻に入ったすべてのにおいをここで感じとります。
目には見えませんが、においの正体は、におい分子という揮発性の化学物質で、このにおい分子はにおいの発生源から分離して空気中に漂っています。
空気を吸い込むと、空気と一緒ににおい分子が鼻腔内に入ってきます。
嗅上皮には特殊な粘液を分泌するボーマン腺(嗅腺)があり、鼻に入ったにおい分子は、この粘液に触れると溶解します。
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におい分子→嗅細胞(嗅小毛)→嗅神経→大脳(嗅覚野)
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これを嗅細胞から伸びている嗅小毛がキャッチすると、嗅細胞はその刺激によって興奮し、においの情報を電気信号に変換します。そして、
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嗅球を経て大脳の嗅覚野につながっている嗅神経(第Ⅰ脳神経)に電気信号(においの情報)が送られると、
大脳は過去に経験したにおいに関する記憶情報を海馬などから収集して、においの分析を行ない、鼻をつまむ行為などのさまざまな判断をくだします。
ところで、泣いたときなど、鼻水が増えて鼻がグシュグシュすることがあります。
これは眼と鼻は鼻涙管で連結していて、涙腺からでた涙の量が多いと、涙点から涙管を通って涙のうであふれた涙が鼻涙管を経て鼻から外に出たためです。
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また、鼻は耳管を介して耳ともつながっています。
耳管は耳の中耳の鼓室から鼻の上部に通っています。耳管は通常は閉じていますが、外気圧と鼓室内の気圧に差が生じたときに開いて、鼓室の気圧を外気圧と同じくなるよう調整します。
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1.副鼻腔炎
副鼻腔炎は副鼻腔に膿などがたまる病気です。慢性副鼻腔炎は蓄膿症ともいわれます。
膿性の鼻汁や、膿などのたまる場所によって頭痛(前頭洞)、頭重感(蝶形骨洞)、眼の痛み(篩骨洞)、頬・歯の痛み(上顎洞)などの症状がみられ、慢性化すると注意力散漫や記憶力減退などを招くこともあります。
原因は細菌やウイルス感染、アレルギー体質、先天的に鼻腔が炎症を起こしやすい体質などが考えられます。
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2.鼻炎
鼻汁が出たり、鼻がつまったりする鼻炎には急性と慢性とがあります。
急性鼻炎はかぜなどに伴って症状が出るもので、数日から1~2週間で回復します。
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慢性鼻炎はアレルギー性のものや、鼻腔の粘膜が厚くなる慢性肥厚性鼻炎、化膿性の炎症などがあります。
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*アレルギー性鼻炎
異物などの外敵に対して、病的な過剰反応経過を示すものは”アレルギー(Allergy)”とよばれています。
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花粉やホコリなどの抗原が体内に入ると、アレルギー体質のヒトは肥満細胞が感作され、同じような抗原が再度侵入すると、過剰な抗原抗体反応(アレルギー反応)により肥満細胞からヒスタミンなどを含んだ顆粒が放出(脱顆粒)されます。
マスト細胞が脱顆粒することにより、放出されたヒスタミンなどは組織の細胞を傷つけ、血管を広げたり、血漿成分をしみ出させたり、粘液の産生を促進させたり、などの炎症反応を引き起こします。その結果、
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くしゃみ、鼻水、はなづまり、なみだ目(アレルギー性結膜炎)などのアレルギー性鼻炎の諸症状が現われます。
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この度!地下足袋!リンクの旅へどうぞ~
詳しくは
花野井薬局健康コラム“なにをいまさら、されど「アレルギー」”
花野井薬局プライベートノート“「免疫のチョコット知識」”を
ご覧ください。
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