『”感覚器”のチョコット知識』
Ⅳ.味覚器 味覚障害 舌炎 口内炎
Ⅳ.味覚器
舌は外界からの情報を感知する感覚器の一つで、味を感じる器官です。.
味覚は、生物が生き残る上で最も大切な感覚。そのワケは、
生物は昔から味覚を使用して、身の回りのものが食べれるかどうか、
「毒見」をしてから体に取り込んできたから、とのことです。.
舌の表面には突起物(舌乳頭)が無数に分布していて、.
[舌乳頭].
味は、その舌乳頭に集まっている味蕾という小器官で感じます。.
[味蕾].
味蕾が、水に溶けた化学物質を検出して電気信号に変え、その刺激を味蕾の中の味細胞から
味神経(顔面神経・舌咽神経)→延髄→間脳を経由して大脳
に伝えると、
化学物質は味として感知されます。
すべての味蕾は多種類の味に反応しますが、基本の味覚(基本味)に対してはとくに敏感に反応しやすい場所があります。
その基本味には甘味、塩味、酸味、苦味、旨みの五つがあり、それぞれが味覚受容体(味細胞)を刺激します。
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[味を感じやすい舌の部位].
味細胞と味物質は鍵と鍵穴のような関係です。ここで、
辛みは味覚受容体ではなく痛覚受容体を介して感じ、また、
旨味は、舌の側面、付け根の部分で強く感じるといわれています。
味蕾が感じた味の情報は、舌の前3分の2が顔面神経(第Ⅶ脳神経)、うしろの3分の1が舌咽神経(第Ⅸ脳神経)を通って大脳に伝えられます。
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[味の情報伝達神経].
舌は、歯で噛み砕いた食べ物を唾液と混ぜ合わせたり、食べ物が食道に円滑に送り込まれるように補助する働きもします。
唾液には消化酵素が含まれていて、αアミラーゼは糖質をデキストリンと麦芽糖に、マルターゼはデキストリンと麦芽糖をブドウ糖に分解します。.
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唾液は顎下腺、舌下線、耳下腺でつくられ、さらに、
唾液は実際に口に食べ物を入れたときだけ分泌されるのではなく、料理を見たり、においをかいだり、あるいは、食べ物のことを想像しただけでも分泌されます。.
[唾液をつくる腺]
味覚は視覚と嗅覚と記憶と密接に関連していて、視覚、嗅覚と記憶が低下すると味覚も変化してきます。
食事をするとき、目をつぶり、鼻を押さえて食べてみて下さい。.
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.[味覚と視覚と嗅覚]
目: アイマスク
鼻:せんたくバサミ
↓
味:よくわからない
舌は言葉を話すときは唇とともに複雑に形を変え、さまざまな音を発することができるよう音をつくる手助けをします。
舌は、よく動く柔軟な筋肉のかたまりで、束になって縦横に走る横紋筋からできている内舌筋と、周囲の骨につながっている外舌筋とからできています。
舌の奥の喉頭蓋は、食べ物が気管に入らないように、食べ物を飲み込むときに気管を覆います。.
1.味覚障害
味覚障害はさまざまな原因で引き起こされます。
味を感じる経路は、「味物質の味蕾への到達」「味蕾での知覚」「中枢への伝達」があり、これらのどこに障害があっても、味覚障害は起こります。
味覚障害の原因には、特発性、薬剤性、亜鉛欠乏性、全身疾患、口腔疾患、心因性などがあげられます。
味を感知する味蕾の味細胞は新陳代謝が活発で約30日で新しい細胞に生まれ変わります。
味細胞には亜鉛が多く含まれているので、正常な味細胞の形成には亜鉛は不可欠のミネラルです。そのため、
血中亜鉛の低下は味覚障害を引き起こす大きな原因(味覚障害の約7割)と
なります。
口腔の乾燥や感染でも味覚障害が起こり、舌苔や舌炎、その他口腔内に炎症が生じた場合などでも、味覚低下や味覚異常が引き起こされる、といわれています。
2.舌炎
舌に炎症が起きるもので、カタル性舌炎、実質性舌炎などがあります。
カタル性舌炎は舌が腫れて赤くなり、舌の表面が荒れてザラザラするのが特徴です。
口臭を伴い舌が舌苔におおわれて真っ白になることもあります。
実質性舌炎は舌の内部に炎症が起きるものです。
大半の舌炎は、うがいや軟膏の塗布、抗生物質などの薬物投与によって治療できます。
3.口内炎
口の中に起こる炎症です。
粘膜が赤くただれたり、さらに、患部が盛り上がり、その患部に水疱ができて白っぽくなったりもします。
原因は、入れ歯が合わない場合や、口の中のやけどなどによって炎症が起きる場合があります。さらに、
かぜ、過労、胃腸障害などの全身症状が原因のこともあります。
うがいや軟膏の塗布、抗生物質などの薬物投与によって治療はできますが、
口内炎を引き起こす原因を取り除くことが、なりよりも大切です。
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この度!地下足袋!リンクの旅へどうぞ~
詳しくは
花野井薬局プライベートノート“「食物の消化・吸収」のチョコット知識”を
ご覧ください。
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