止血・出血のチョコット知識②
止血機能検査
止血機能検査
外傷などによる出血がなかなか止まらなかったり、また皮下に内出血の斑点(紫斑)がしばしば現われたりすると血小板もしくは血液凝固因子の異常による疾患を考えます。 このような場合
(1)血小板算定検査…..止血機能を調べる
(2)全血凝固時間の検査…..血液が固まる時間を測る
(3)出血時間の検査…..血が止まるまでの時間の測定
を実施します。
(1) 血小板算定(PLT:platelet)検査
血小板の基準値は 1 μℓ血液中 20 万~ 40 万個です。
10 万個以下になると出血傾向が現われ、 5 万個以下になった時には治療が必要です。
数値が高い場合:本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、真性多血症など。
数値が低い場合:再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病、肝硬変など。
(2)全血凝固時間( WBCT : whole blood clotting time )検査
基準値は 5 ~ 15 分ですが、それ以上になった時は異常値と見なします。
考えられる主な病気のひとつとして血友病があります。 そのほか、糖尿病、肝疾患などでも異常値が認められます。
(3)出血時間( BT : bleeding time )検査
出血時間の基準値は 1 ~ 3 分です。
8 分を超えるようであれば血小板減少性紫斑病、血小板無力症といった血小板の異常があげられます。 なお、血友病の場合、出血時間の検査では正常値を示すことが多いようです。
このほか、血液凝固因子のできるまでの時間を測る
プロトロンビン時間(PT:prothrombin time≒INR)があります。
基準値は10~12秒ですが、15秒以上の異常値が出た場合は肝障害、胆道疾患を疑います。
また、12種類の血液凝固因子(Ⅰ~XⅢ番まであるがⅥは欠番)のうち第Ⅷ因子の欠乏と第IX因子の欠乏を調べる
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT:activated partial tromboplastin time)があります。
基準値は20~40秒です。正常値を超えた場合は肝機能障害や血友病が疑われます。正常値未満で考えられるのは妊娠です。
フィブリノーゲン(fibrinogen)量測定検査もあります。
基準値は 200 ~ 400 ㎎/㎗です。 脳梗塞や心筋梗塞などの血栓性疾患ではフィブリノーゲン量の著しい上昇がみられます。 劇症肝炎や肝硬変などの重症の肝障害のときは逆に低い値になります。
これらのことから、ただ出血しやすいという症状からは病気の区別がつきません。
異常に気がついた時点で速やかに血液の専門医を訪ねて検査及び治療を受けることが大事です。
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