肝臓のチョコット知識⑤
急性肝炎 薬剤性肝障害 慢性肝炎 肝硬変
Ⅱ㋩.急性肝炎
急性肝炎の症状は、肝炎ウイルスの種類によって異なります。
一般にはまず37~38度の発熱があり、通常2~3日で平熱に戻ります。しかし、食欲不振、易疲労などの症状が続き、数日後には黄疸が現われ約1週間続きます。多くは3~6ヶ月で完治しますが、経過や予後はウイルスの種類によって異なり、一部は慢性肝炎に移行します。
広範な肝細胞壊死により、意識障害が出現し、肝不全状態に陥るものは劇症肝炎と呼ばれ、短期間で死に至る重症型です。
㊁.薬剤性肝障害
抗生物質、精神安定剤、降圧剤などさまざまな薬剤によるアレルギー反応で肝臓に障害が起こります。
薬剤性肝障害には、肝細胞が障害され血清トランスアミナーゼ(ASTやALT)値が上昇する肝炎型と、胆管系が障害される胆汁うっ滞型、それにこの両方が混在する混合型があります。
肝炎型は、易疲労、食欲不振、吐き気などの症状があり、これらの症状にさらに、発熱や関節痛、発疹を多くは伴います。胆汁うっ滞型は、かゆみを伴ない、黄疸が現われます。
㋭.慢性肝炎
肝炎が半年以上たっても治癒しないものを臨床的に慢性肝炎といわれていますが、診断の確定は肝生検による組織診断が必要となります。急性肝炎から慢性化することもあります。特有な臨床症状が少なく、易疲労、食欲不振、肝腫大などがみられるケースもありますが、自他覚症状がほとんどない場合も少なくありません。
㋬.肝硬変
肝臓の炎症が長期間続き、肝細胞が壊死に陥ると繊維が増生して修復され、肝細胞は再生します。しかし、肝細胞は繊維に囲まれた丸い結節状となり、肝臓の小葉構築に乱れが生じます。この状態になると肝臓は硬化し、正常な機能が果たせなくなります。これが肝硬変で、あらゆる肝障害が悪化したとき辿り着く最終疾患といわれます。
また、門脈圧が亢進し、静脈の血流が増加して、しばしば食道静脈瘤や痔核などが形成されます。血清アルブミンの低下も加わり、腹水が溜まることもあります。
末期になると血液中のアンモニアの上昇により肝性昏睡という意識障害がおこり、死亡率は非常に高いといわれています。
また、肝硬変患者の3大死因として肝不全、食道静脈瘤破裂、肝細胞がんがあげられます。
㋣.肝がん
i)原発性肝がん
肝細胞がん |
—– |
肝臓そのものの肝細胞から発生したがんで、肝臓がんの約90%はこの肝細胞がんで占められています。 |
胆管細胞がん |
—– |
肝臓の中にある胆管から発生するがんで、肝臓がんの約5%程度です。 |
その他 |
—– |
肝細胞がん・胆管がん混合型、肺芽腫(こどもの肝臓に発生する悪性がん) |
ii)転移性肝がん
肝臓以外の臓器から発生したがんが肝臓に転移して悪性腫瘍をつくるものです。
肝臓には門脈を介して消化器など、ほかの臓器からの血液が流れる込むため、胃、膵臓、大腸などの消化器がんや肺がんや乳がんなどからの転移が多く見られます。
また、肝臓がんは初期症状としては痛みなどがないため、腫瘍そのものが大きくなるか、もしくは進行してほかの症状が出ないと発見が遅れる傾向にあります。
-5-