なにをいまさら、されど『心臓病』
心臓弁膜症
Ⅱ.弁膜の異常から起こる心臓の病気
僧帽弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症などの心臓弁膜症
私心臓には4つの弁がありましたネ。 この弁に何らかの障害が起こり正常に機能しなくなった疾患を心臓弁膜症と呼んでいます。
以前はリウマチ熱から心臓弁膜症になることが多かったので、小児や若い人間さまにとくに見られる病気でした。
近年では虚血性心疾患や心内膜炎、僧帽弁逸脱症候群などが原因となるケースがあるので、高齢の人間さまにも心臓弁膜症が増えています。
[ 心臓の4つの弁 ]
リウマチ熱から心臓弁膜症へ
小児期や思春期に化膿性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)感染によるリウマチ熱にかかると、心内膜炎(亜急性細菌性心内膜炎 SBE:subacute bacterial endocarditis)や心筋炎(myocarditis)を引き起こします。
その心内膜炎や心筋炎のためにこれらの延長である私心臓の弁にも炎症が起こり、弁の癒着やひきつれ(瘢痕拘縮)を生じます。
これにより私心臓の弁の開口部が狭くなったり(弁狭窄症)、閉じなくなったり(弁閉鎖不全症)する心臓弁膜症が後天的に発症します。とくにリウマチ熱による心臓弁膜症は左心室側の僧帽弁と大動脈弁に多くみられます。
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心臓の炎症を引き起こすリウマチ熱とは?
リウマチ熱はかぜ症状(とくに化膿性レンサ球菌を病原体とする扁桃腺炎)の後、1~3週間で高熱が出て、関節炎やそれにともなう関節痛、倦怠感、腕の関節あたりにできる皮下結節、手足の皮膚に輪状紅斑などが現われるのが特徴です。
また、手足が勝手に動く舞踏病症状のほか息切れや動悸をともなう心臓の炎症も引き起こします。 この時点ですでに心内膜炎や心筋炎が発症しており、抗生剤による積極的な治療のない場合には心臓弁膜症へと進みます。
関節炎や心臓の炎症は、化膿性レンサ球菌と戦うためにつくられる抗体(ASLO)が化膿性レンサ球菌の出す溶血毒(SLO)と間違えて関節や心筋に対して免疫反応を起こしてしまうこと(からだに有害な異物と勘違いして関節や心筋を攻撃)により生じるものと考えられています。
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