なにをいまさら、されど『心臓病』(21)
心臓の病気の検査
私心臓の機能を調べたり、心臓の病気を診断するときはいろいろな検査が行なわれます。
心臓の病気の重症度や心臓の病気の治療方針、心臓の病気の治療経過、さらには、心臓の病気の治療効果などをみるには、私心臓の検査はどうしても必要です。
[ 心臓の病気診断のための主な検査項目 ]
(1)血液検査と尿検査 (2)聴診器による検査 (3)血圧測定 (4)心電図検査 (5)レントゲン検査 (6)心臓超音波検査 (7)心音図検査 (8)心臓カテーテル検査 (9)血管内視鏡検査 (10)核医学検査 (11)CTスキャン( コンピュータ断層撮影) (12)MRI(磁気共鳴画像法) (13)PET( 陽電子放射断層撮影法) |
(1)血液検査と尿検査
血液中のCPK(Creatine Phosphokinase)、LDH(Lactate Dehydrogenase)、AST(Asparate Aminotransferase)、ALT(Aranine Aminotransferase)の酵素や血中含有成分(糖、中性脂肪、コレステロールなど)などを調べる血液検査により、心筋梗塞やリウマチ熱、細菌性心内膜炎などの程度や治癒の過程を知ることができます。
また、心臓病に糖尿病あるいは腎臓病などが合併していないかどうかを調べる尿検査なども大切です。
(2)聴診器による検査
私心臓の拍動にともなって、弁の開閉や心室の収縮などによる血流の変化で起こる心音は、聴診器で聞くことができます。
心音の異常や心雑音などを知るには最も良い検査法です。 聴診器による心音は、心臓弁膜症や先天性の心臓病などを診断するための、ある程度の目安となります。
(3)血圧測定
通常、血圧といえば上腕部動脈の血圧を指します。血圧計を用いて、上腕部に巻いたマンシェットにポンプで空気を送って締めつけ、空気を抜きながら血圧を測定します。
圧を下げてきて最初に拍動を聞いた時の血圧が最高血圧、拍動が聞こえなくなった時の血圧が最低血圧です。 そして、この血圧は水銀柱の高さ(mmHg)に換算して表します。
大動脈弁閉鎖不全症の場合は最高血圧と最低血圧の差(脈圧)が大きいのが特徴です。
血圧レベルの分類(WHO/ISH 1999)
分類 | 最高血圧(mmHg) | 最低血圧 (mmHg) | |
至適 血圧 |
120未満 | かつ | 80未満 |
正常 血圧 |
130未満 | かつ | 85未満 |
正常 高値血圧 |
130~139 | または | 85~89 |
軽症 高血圧 |
140~159 | または | 90~99 |
中等症 高血圧 |
160~179 | または | 100~109 |
重症 高血圧 |
180以上 | または | 110以上 |
収縮期 高血圧 |
140以上 | かつ | 90未満 |
[ 血圧測定 ]
-21-