なにをいまさら、されど『心臓病』(21)
心臓の病気の検査
(5)レントゲン検査
胸のX線検査をすることで、心臓の形、大きさ、大動脈、肺動脈、大静脈などの状態が把握できます。 心不全が起こると肺にうっ血を生じるので心不全の程度もわかります。
[ 胸部レントゲン ]
(6)心臓超音波検査
心エコー
超音波を体の表面からあてて、その反射(エコー)により体内の様子を画像に映し出す検査です。 心臓の内部特に弁膜や心臓壁、心臓中隔の動きがそのまま映し出されるので弁膜症、心筋症、先天性心疾患などの診断にとくに有効です。[ 心臓超音波検査 ]
(7)心音図検査
心音は胸壁に耳を当てたり、聴診器を当てることで聞くことができますが、心音の成分や時間的経過などの解析、記録には心音計を用います。
弁膜症や先天性心疾患を見つける場合、心電図ばかりでなく、心音や心雑音(異常な心音)を記録した心音図の検査結果も参考にして診断します。
(8)心臓カテーテル検査
心臓血管造影検査
この検査は腕や大腿の付け根の動・静脈にカテーテルと呼ばれる細長くやわらかな管を挿入し、血管を通って心臓にまで到達させて種々の検査を行なう方法です。
そしてカテーテルを近づけた部分から血液を採取したり、心臓の内部の圧や血管内の圧を直接測定します。 また、検査時に造影剤を管の先端から注出し、血液の流れをX線映画撮影して診断の材料とします。(冠動脈造影、心室造影など)
とくに冠動脈造影検査は虚血性心疾患の診断には欠かせない検査法として広く普及しています。
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[ 心臓カテーテル検査 ]
(9)血管内視鏡検査
冠動脈内視鏡検査
胃カメラ(直径1cm)を小型化したようなものを光ファイバー(直径1mm以下)を用いて冠動脈の内部にまで挿入して直接見る検査法。
(10)核医学検査
なかでも、心筋シンチグラフィーはRI(Radioisotope = 放射性同位体)としてタリウム(Tℓ:thallium)を注入して検査します。
(11)CTスキャン(CTscan:Computed Tomography s.)
コンピュータ断層撮影
体(心臓)を輪切りにした状態の映像を映し出す検査法。
[ CTスキャン ]
(12)MRI(Magunetic Resonace Imaging)
強い電磁波を作用させて体の内部臓器(心臓)の断層写真を映し出す方法。
(13)PET(Positron Emission Tomography)
投与された診断薬が体内で直ちに電子と結合して放出するγ線を測定することで、診断薬の体内取り込み状態を画像化して検査する方法。
病歴や診断所見に加えて、心臓病の重症度や治療方針を決定するため、あるいはその経過をみたり治療効果をあげるためには多種の検査が必要です。
これらの検査を総合して、心臓病はより正確な診断がつけられ、さらにその重症度も正確に診断されることになります。
お忙しいところ、今回も長々とおつきあいいただきありがとうございました。
このお話が人間さまにとって心臓病を理解するうえで少しでもお役に立てば、
私心臓はこの上ない幸せと思います。
末筆ながら、人間さまのご健康とご繁栄をお祈り申し上げ、ペンを置かせていただきます。
また、お会いできる日を楽しみにしております。
敬具
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