なにをいまさら、されど「痛風」(3)
痛風発作のメカニズム
尿酸の産生が過剰になったり、腎臓病などによる尿酸排泄障害があったり、腸管からの尿酸排泄機能が低下したりすると、尿酸が血液中に増加(高尿酸血)します。そして、
尿酸の過飽和状態のところに一時的に何らかの強い刺激が加わると関節(痛風発作)や腎臓などに水に溶けにくい尿酸塩の結晶として沈着します。
人間さまの痛風は足の親指のつけ根が突然、耐えがたい痛み(疼痛)と発赤(充血)、熱(発熱)を伴って腫れ(腫脹)てきます。
短期間で自然に症状は軽快しますが、また、いつか激しい痛みに襲われ、さらには慢性化して身体中の関節が痛み出し、進行するにしたがって慢性腎炎や腎不全へと移行します。
人間さまの痛風の原因として痛風の1割ほどは痛風を起こしやすい遺伝体質です。
残りの約9割は
アルコールの過飲や高たんぱく食、高カロリー食の過剰摂取、プリン体含有量の多い食事、それに高血圧治療による降圧利尿剤の長期間服用および肥満などがあげられます。
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痛風発作のメカニズム
① 体の中で、低温の好発部位(足の親指のつけ根の関節など)に沈着した
尿酸結晶は、
免疫機能の働きにより異物と判断され、好中球から攻撃を受け始めます。
② このとき、尿酸結晶を貪食した好中球は活性化され、活性酸素やプロスタグランディンを産生し、種々酵素を放出します。そして、放出された酵素がまわりの毛細血管を拡張させるので、激しい痛みを伴う炎症を引き起こします。
③ さらに、好中球が自滅(アポトーシス;細胞死)する過程でも乳酸が発生し、血液が酸性に傾くため、ますます、尿酸結晶が関節に沈着します。
④ 悪循環を繰り返します。
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人間さまの
血中尿酸の基準値は、男性で3~8㎎/dl、女性の場合は2~6㎎/dl
で幼児や子供はさらに低めです。
尿酸は血液に溶けにくい性質をもっているため飽和濃度(尿酸がこれ以上血液に溶けない濃度)は男女ともに約7.0mg/dlです。
尿酸値が高いまま放置しておくと、いずれ、痛風や尿酸の結晶が塊となって尿路につまり激痛を引き起こす尿路結石になる可能性が高くなります。さらに、
痛風腎により腎機能の低下が進むと、老廃物の排泄ができなくなる腎不全を招く恐れもあります。(-血液透析)
異常値がでた場合に考えられる代表的な疾患が痛風で、発作時には数値は8~16㎎/dlとかなり高くなります。 しかし、
尿酸値が高いからといってただちに痛風とはいえません。 原因不明の高尿酸血症が少なくないからです。そのほか、
尿酸値の高い疾患として、白血病や溶血性貧血、多発性骨髄腫、高血圧、心不全、肝障害などがありますが、この場合の尿酸値は8~9㎎/dlほどです。
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