なにをいまさら、されど 「糖尿病」(13)
糖尿病を調べる主な検査
④グリコヘモグロビン(HbA1c)⑤グリコアルブミン
⑥尿中ケトン体⑦1.5AG検査
④グリコヘモグロビン(HbA1c)
グリコヘモグロビンとは赤血球に含まれているヘモグロビン(血色素)が私ブドウ糖と結合したものをいいます。
糖尿病のコントロールが悪く、血糖の高い状態が続けばグリコヘモグロビンが増えてきます。
総ヘモグロビン量に占めるグリコヘモグロビン量の割合を測定すれば過去1~2ヶ月の平均血糖値がわかります。
基準値(NGSP値)→4.6~6.3%(総ヘモグロビン中)
数値が高い場合:1~2ヶ月前の糖尿病のコントロール(食事療法、運動療法、糖尿病薬の服用)が正しく行なわれていなかった。
⑤グリコアルブミン
血液の私ブドウ糖の濃度が高い状態が続くと、血液中で私ブドウ糖とアルブミンが結合してグリコアルブミンという物質ができます。グリコアルブミンは過去2~3週間の血糖の平均値とよく相関します。
基準値→12.3~16.9%
数値が高い場合:2~3週間前の糖尿病のコントロールが正しく行なわれていなかった。
⑥尿中ケトン体
糖尿病や飢餓状態の場合、私ブドウ糖の代わりに脂肪酸を酸化してエネルギーを確保します。
その結果、ケトン体(アセト酢酸、βオキシ酪酸、アセトン)が血液中にあふれてきます。
この病態をケトージスといい、尿や吐く息には特有の果物が腐ったような甘ずっぱいニオイが混じります。
さらには意識障害が起こり、糖尿病性昏睡といって意識不明に陥ることもあります。
尿中のケトン体が陽性(+)と出た場合、食事や運動、糖尿病薬の服用など糖尿病のコントロールが正しく行われていない証拠です。
基準値→陰性(-)
陽性(+):管理のよく行なわれていない糖尿病、飢餓状態
⑦1.5AG検査(1.5Anhydro-D-glucitol)
グリコアルブミン検査やグリコヘモグロビン検査は週単位、月単位の血糖コントロールの指標として使われています。
これと同じように1.5AG検査からは過去数日間の血糖コントロールの状態がわかります。
前日までの血糖コントロールの良し悪しをリアルタイムに把握できることから、糖尿病の治療効果や薬の増減とその経過観察には欠かせない検査として利用されています。
基準値→1.5AG(㎍/ml) 14以上
優良な血糖コントロール 10~13.9
良好な血糖コントロール 6~ 9.9
不良な血糖コントロール 2~ 5.9
きわめて不良な血糖コントロール 1.9以下
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