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『糖尿病』について(3)エネルギー産生メカニズム


なにをいまさら、されど 『糖尿病』(3)
エネルギー産生メカニズム

 

  小腸のじゅう毛内の毛細血管に吸収された私ブドウ糖は肝門脈を通って肝臓に入り、ここでグリコーゲンに合成(Glycogenesis)され貯蔵されます。

 しかし、人間さまで肝臓でグリコーゲンとして貯蔵されるのは6~10%、筋肉では0.3~0.86%ぐらいが蓄積されるので、通常成人男子においては90~150gが肝臓に肝グリコーゲンとして貯蔵され、100~400gのグリコーゲンが筋肉内に存在し、また、血中私ブドウ糖としては、わずかに15~20gが存在するだけとなります。
つまり、蓄積されている糖質によるエネルギー源はわずかに1500~2000kcal備えているにすぎません。そのため、
余分の私ブドウ糖は脂肪に変えられ皮下などに貯えられます。

 また、吸収された果糖(Fructose)とガラクトース(Galactose)は肝臓で私ブドウ糖に変わります。 

  人間さまの血液中にはいつでも一定量の私ブドウ糖(100mg/dl=0.1%前後)が含まれています。

 そして、 私ブドウ糖は組織の各細胞に運ばれます。そこでエネルギーを出すために私ブドウ糖が消費されたり、肝臓や筋肉で私ブドウ糖からグリコーゲンへの生成が進むと、血液中の私ブドウ糖(血糖値)は低下します。(Hypoglycemia

 逆に小腸での糖の吸収が活発に行なわれたり、グリコーゲンの糖化(Glycogenolysis)や肝臓でのアミノ酸そのほかからの糖新生(Glyconeogenesis)がさかんになると血糖値は上昇します。(Hyperglycemia) 

 血糖値が0.17%(170mg/dl)を超えると尿に糖(Glycosuria)が現われます。 

 次にエネルギーの産生についてお話しましょう。 

   腸から吸収され肝臓を通った血液中の私ブドウ糖は組織の細胞に取り込まれ、解糖系からアセチル CoA を経由して TCA サイクル( Tricarboxylic acid cycle )に入り二酸化炭素と水に分解されます。

 この時大量のエネルギーが ATP ( Adenosin triphosphate )のかたちで発生ます。私ブドウ糖が細胞質(解糖=Glycolysis )やミトコンドリア内(呼吸=Respiration )でエネルギーを産生(ブドウ糖1分子当たり32ATP)するメカニズムは非常に複雑です。

 

細胞内

ミトコンドリア

[エネルギー産生メカニズム]

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
結局!薬局!花野井薬局!
 

ブドウ糖を嫌気的に解糖(本来の解糖系)すると、ブドウ糖1分子から
2分子のピルビン酸、NADH 2分子ができ、ATPも2分子できます。

 好気的条件下ではブドウ糖1分子から、
NADH 8分子FADH2 2分子と、GTP 2分子が生産されます。
(GTPはATPと同等なので、ATP 2分子と考えます。)

 電子伝達系では、
NADHからはATP 2.5分子、FADH2からはATP 1.5分子が生じる
という考えが一般的です。

 つまり、ブドウ糖1分子からは、NADHが10分子FADH2は2分子
すでにATP 4分子ができているので、

 合計32分子のATPが産生されます。

2.5×10+1.5×2+4=32

 

ただ、実際のATP収量は

細胞質基質の解糖系で生じたNADHをTCAサイクルで働いている
ミトコンドリア内に輸送するエネルギーとしてATPが使われる。
ミトコンドリア内膜の水素イオンが内膜から漏れる。
マトリックスと内膜の間の水素イオン濃度勾配は、
ATPの合成以外の目的にも使われる。 の理由により、

ブドウ糖1分子から30分子程度と考えられています。
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