いま、メディアでは”おたふくかぜ”による難聴問題が取り上げられています。
おたふくかぜ(mumps:流行性耳下腺炎)はムンプスウイルス(Mumps virus)を病原体とする感染症です。
ムンプスウイルスはウイルス保有者(carrier)または罹患者からの飛沫を介して鼻腔や上気道粘膜に感染し、増殖します。
増殖しながら、ムンプスウイルスはウイルス血症(リンパ球に感染)を起こして全身の臓器に広がり、とくに、腺組織(唾液腺、精巣、卵巣、膵臓など)と神経組織(内耳、髄膜など)に好んで感染します。
一般的には18~21日の潜伏期ののち発熱し、片側または両側の耳下腺の腫脹と疼痛を主な症状とします。
顎下腺や舌下腺がおかされたり、難聴(ムンプス難聴)や無菌性髄膜炎を合併することもあります。
[流行性耳下腺炎]
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おたふくかぜによるムンプス難聴はほとんど回復しないといわれ、片耳だけならまだしも、両耳難聴の場合には音の世界から隔絶された状態になります。
小児が罹りやすく、思春期以後の成人では、合併症として精巣炎や卵巣炎を起こすことがありますが、不妊の原因となる例は稀とのことです。
おたふくかぜのワクチンは1989年、麻疹(measles)や風疹(rubella)との混合ワクチン(新三種混合ワクチン:MMRワクチン)として定期接種されていましたが、MMR ワクチン接種後の、副作用としての発熱、頭痛、吐き気を起こす無菌性髄膜炎の発症が問題となり、1993年に中止されました。
現在は任意接種のため、接種率は3~4割と低く、幼稚園や学校でおたふくかぜが流行する原因、ともいわれています。
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詳しくは花野井薬局プライベートノート
“感染症のチョコット知識㉕ ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルスによる感染症” を
ご覧ください。
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