こんにちは。
先日、友人から聞いた話です。
20代の娘さんのいるご家庭なのですが
最近、娘さんが仕事を突然辞め、再就職先を探そうとしていたところ、
”甲状腺機能亢進症””といわれた、という。
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お母さんは、娘さんが退職後、
再就職とはいいながらも毎日だらだらと家のなかで過ごし、
いっこうに仕事をする気配もなく、
今日は”ダルイ”とか、今日は”ヤル気がしない”とか、今日は”疲れている”とか、そういう娘さんがいつ仕事を始めるのか、少し、訝っていました。
しかし、数カ月経っても、仕事の話が一向に進展しないことから、
なぜ、彼女が頑なに
再就職を拒むのだろう、と思い
娘さんにその理由をそっと聞くことに。
”恋の病”のような精神的なものなのか、それとも”どこか”肉体的はものなのか、
はたまた、根っからの”怠け者”。
娘さんがそれでも口にするのは
”体が思うように動かない”、”手が震える”、”息がしにくい”ということでした。
これは、もしかしたら「うつ病」か、と疑い、
”一度、病院で診てもらったら?”といったところ、こんどは娘さん、
すんなりと聞き入れてくれたそうです。
「うつ病」かもしれない。
お母さんは目の前が暗くなり、
若い大事な時期に引きこもりがちになってしまっては。
長期に渡ってサポートしてあげなくては。
悪い予感ばかりが脳裏をよぎったそうです。
病院(内科)を受診し、血液検査の結果、
なんと病名は
「甲状腺機能亢進症」
甲状腺機能亢進症ってあのバセドウ病?!
お母さんは驚いたことよりも、
病名がわかりやっと安心したそうです。
甲状腺ホルモンは甲状腺から分泌され、発育や成長に欠かせません。そして、全身(脳や心臓、消化管、骨、筋肉など)の新陳代謝を活発にする働きがあり、精神神経や身体活動の調整にもかかわっています。
娘さんにはこれから投薬治療が開始され
薬の効果が得られれば手術は回避できるとのこと。
こうして思ったのとは違う、隠された病を知ることとなりました。
もし、病院へ行かなければ、いま以上、甲状腺機能亢進症は悪化していたかもしれません。
親子とはいえ、それはそれ、遠慮がある仲。
悩む娘さんの行動を見るに見かねて話かけたお母さんの勇気と、娘さんにとっては、思うようにならない自分の体に対し、診察を受けに行くためらいを吹っ切らせてくれたお母さんの愛情が、うまく娘さんに届いたのでしょう。
それでも、お母さんは”怠け病”と思った娘さんに詫び、娘さんは娘さんで病院にいくよう勧めてくれたお母さんに感謝したそうです。
早期発見、早期治療はとても大切です。
もちろん、”うつ病”も早めの治療が望ましいですね。
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名月が
隠れそうだと
雲恨み
BGM:
ベートーベン「月光」 Beethoven “Moonlight Sonata”
花野井薬局