こんにちは。
先日は、全国のほぼ全域で記録的な大雪が降り、今でも所によっては、大量の降雪と厳しい寒さが続いております。
ですが、その極寒の中にも春の兆しが感じられます。
[アケボノスミレ]
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熱海の梅園では梅の花が咲き、見ごろを迎えている、とのことです。また、
冷たい空気に耳を研ぎ澄ませば、どこからともなく、
ウグイスの声が聞こえてきそうな、そんな気配もします。
梅
Prunus mume
Rosaceae
といえば、
梅の花もさることながら、
はちみつ梅干しなどの各種梅干しや梅肉 エキス、
梅ドレッシング、梅酒などが思い浮かびます。
そんな一般的な梅ですが
なんと500以上の種類があるそうです。
梅には花梅と実梅とがあります。
花梅は観賞を目的として、実梅は実を収穫して食用に
供する目的として、つくられた品種ということです。
今回は、観賞用の花梅の中のいくつかをご紹介します。
梅花 | 野梅系(野梅性・難波性・紅筆性・青軸性) |
緋梅系(紅梅性・緋梅性・唐梅性) | |
豊後系(豊後性・杏性) | |
実 梅 |
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●野梅系(やばいけい)
中国渡来の原種に近い品種の梅です。
特徴は、枝が細くて多く、花も葉も比較的小さいことです。
それでも、香りがとてもよく、万葉の時代に
歌われた花の多くはこの野梅系かもしれません。
<野梅性(やばいしょう)>
野梅性はもっとも原種に近い梅です。
花は白、ピンクが多いのですが赤い花を咲かすものもあります。
トゲ状の小枝が多く、香り高い一般的な梅のイメージに
近いかもしれません。
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<難波性(なにわしょう)>
枝が細くよく茂り、トゲ状の小枝は少なく、葉が丸い。
花の香りが良く、八重の遅咲きです。
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<紅筆性(べにふでしょう)>
つぼみの先が紅く尖っています。
つぼみは紅いのに花は白色が多く、赤と白のコントラストが
梅全体をより美しく見せます。
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<青軸性(あおじくしょう)>
梅のイメージとは違う、枝やガクが緑色です。
つぼみは白緑色で花も青白色なので冷たい感じがします。
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●緋梅系(ひばいけい)
緋梅系は野梅系から変化したものです。
花の色は紅色、緋色のものがほとんどというのが特徴です。
葉が小ぶりなので盆栽などに人気があります。
白花でも枝の髄が紅いものはこの緋梅系に入ります。
<紅梅性(こうばいしょう)>
とても明るい紅色の花を咲かせます。
まれに白い花を咲かせることもあります。
緋梅系の特徴は枝が赤いのですが
紅梅性はそれほど赤くはありません。
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<緋梅性(ひばいしょう)>
紅梅性に比べるとさらに濃い赤色をしています。
緋梅系の中ではもっとも赤みがある品種といわれています。
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<唐梅性(とうばいしょう)>
花の色は咲き始めは薄いピンクから紅色、
咲き終わりには白くなる特徴があります。
花が下向きで、花柄が長いものが主流です。
唐梅<からうめ>
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●豊後系(ぶんごけい)
梅と杏(あんず)を交配させた品種です。
葉は大きく育って、花びらも大きく、
杏に似た桃色のものが多いようです。
<豊後性(ぶんごしょう)>
杏に梅を掛け合わせた品種です。
枝がやや太く、樹勢が強いのが特徴です。
葉は丸葉で大きく、表面に毛があります。
大輪の花を咲かせ、淡紅色のものが多く、遅咲きです。
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<杏性(あんずしょう)>
おなじ豊後系でも豊後性よりも枝が細く、葉も小さい。
葉の表面には毛もなく、花は遅咲きのものが多くありますが
豊後性と比べるととても可愛らしい花です。
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春の訪れがとても楽しみですね。
最後に、
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[梅とメジロ]
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この鳥は、ウグイスではなく、実は、メジロです。
でも、梅というと、どうしても、ウグイスとのイメージが強いですね。
梅の香りと、梅の花、それに、
とろり梅干を考えたため、
口の中が酸っぱくなったところで、
また…。
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花野井薬局