こんにちは!
降り続くしとしと雨のため、これから憂うつな日々が続きそうですが、
その憂うつさを吹き飛ばしてくれる紫陽花について…..。
好評につき、再度掲載いたします。
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花屋さんに入って驚くことは、”なんと紫陽花の種類の多いこと!”
陳列棚にはたくさんの紫陽花が整然と並んでいて、なかには、今までに見たこともないものもあります。
さて、その紫陽花ですが、万葉集にも詠まれたほどですから、
古くから知られ、そして親しまれていたのでしょう。
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紫陽花の咲くこの時期、見ごろを迎えた紫陽花の花はとくに、雨との相性がよく、雨天や雨後の花は雨に映えて、濃い青色から紫、そして薄い赤紫色まで色彩豊かにイキイキとしています。
実に、
「紫陽花には雨がとくに似合う。」
とは、よくいったものです。
梅雨時に咲く紫陽花の美しく色鮮やかな花の色は、梅雨時に気分が塞ぎがちになる人の心を和ましてくれることでしょう。
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ところで、紫陽花は日本に原生している植物の一つで
18世紀ごろになると日本原生のものや東アジアに生えていたものが
ヨーロッパに持ち込まれるようになり、イギリスの王室庭園でも
栽培されていたともいわれています。
毎年、品種改良がおこなわれていて、その種類も世界では3000種を
越える紫陽花があるようです。
以前、紹介したバラの品種もかなり多くの数があるとお話しましたが、
紫陽花の種類もそれに引けを取らないですね。
ここでは、 代表的なものを少し、ご紹介をいたします。
原種
Hydrangea macrophylla f. normalis
海岸に自生し、ハマアジサイとも呼ばれ、
花びらのように見える部分は大きくなった「がく」です。
変種
Hydrangea macrophylla f. macrophylla。
そのほとんどが装飾花であり、花びらはすべて「がく」。
花を裏返すと装飾花のかげに真の花のつぼみが見えます。
ガクアジサイの一種
Hydrangea macrophylla f.normalis’Jogasaki’
花弁が八重咲になっているのが特徴です。
また、よく”七変化”とも呼ばれる紫陽花、その紫陽花の花の色について。
紫陽花の花の色は土壌のpHによって変わるため、
酸性なら青、アルカリ性なら赤といわれています。
紫陽花にはアントシアニンという色素が含まれ、
このアントシアニンが アルミニウムイオンと結合すると青味が増すとのことです。
土壌のアルミニウムイオンが根からどれほど吸収されるかで
紫陽花の花の色が変わるということですね。
アルミニウムは酸性土壌ではアルミニウムイオンになりやすく、土壌に溶け込みます。
さらに、同じ株から咲いているのに花によっては色が違うという疑問があります。
これは、同じ株でもたくさんの根があり、アルミニウムイオンを含んだ養分を吸いあげている根からの紫陽花の花の色は青色になり、アルミニウムイオンを含まない土壌に根をもつ紫陽花は赤い花をつけることになります。
日本に咲いている紫陽花は最初は色素が弱く白や水色の花ですが、
成長するうちに青色がだんだんと濃くなっていきます。
アルカリ性の土壌の多い国では紫陽花の花の色は、
ピンクから赤になることが多く、フランスでは紫陽花の
基本的なイメージは赤となっているそうです。
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紫陽花(あじさい)の八重咲く如く、
弥(や)つ代にを、いませわが背子、
見つつ思(しの)はぬ
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橘 諸兄(万葉集)
紫陽花の花が八重に咲くように、
いついつまでも栄えてください。
あなた様を見仰ぎつつお慕いいたします。
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花野井薬局