” 虫刺され”はリッパな皮膚病のひとつです。
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毎年この季節になると、あちこちで蚊やハチやケムシなどの毒虫、カサゴなどの毒魚や毒クラゲに刺されるちょっとした被害が相次ぎます。
一般にこれらの虫や魚の毒液は蟻酸(Formic acid HCOOH)と呼ばれる酸性の化学物質なのでアンモニア水のようなアルカリで中和します。 アンモニア水がなければ重曹(炭酸水素ナトリウム NaHCO3)水や石けん液を使用します。
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とくに、これからは蚊に刺される機会が増えます。蚊媒介感染症にはデング熱やジカウイルス感染症、日本脳炎、マラリアなどがありますが、このなかで、ワクチンや予防薬がなく、日本に広く生息しているヒトスジシマカが媒介し、流行が危惧されているのがデング熱とジカウイルス感染症(まれに、性交渉や献血などでも)です。
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蚊
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ふだんから、蚊にさされないよう注意することが大事です。
予防としては、
1.素足でサンダルをはかない。
2.長袖、長ズボンを着用。
3.藪や木陰を避ける。
4.虫除け薬を利用する
などがあります。
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〜応急処置〜
①ケムシやドクガに刺されたとき
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ケムシ
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激しいかゆみとじん麻疹の症状が現われます。 かきこわすと化膿してとびひ(伝染性膿痂疹)になるので注意しましょう。
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水道水で洗い流し、かいたりこすったりしないようにします。 |
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セロハンテープやガムテープを貼ったりはがしたりして毒針を取り除きます。 |
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口で毒を吸い出します。 |
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アンモニア水や重曹水、抗ヒスタミン軟膏を塗布したり、抗ヒスタミン剤を服用します。 |
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はれやかゆみ、痛みが強いときは冷たいタオルなどで冷やし、病医院を受診します。 |
②ハチに刺されたとき
..ハチ..
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ミツバチはセロハンテープかガムテープで針を取り、その他のハチの針はとげ抜きで取り除きます。 |
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口で毒を吸い出します。 |
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アンモニア水や重曹水、抗ヒスタミン軟膏(とくにミツバチ)を塗り、氷で冷やします。 |
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痛みが強いときは、抗ヒスタミン剤を服用します。 |
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何ヶ所も刺されたり頭痛、嘔吐、じん麻疹が出たときはすぐに病医院を受診します。 |
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ここでハチ毒はハチの一時的な防衛のための毒なので、ハチ毒そのもので死ぬようなことはまずありません。
しかし、たまたま特異体質の人が複数回ハチに刺されると、ハチ毒に対するアレルギー反応(抗原抗体反応)が起こり、アナフィラキシーショック死することもあります。
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この度!地下足袋!リンクの旅へどうぞ〜
詳しくは花野井薬局健康コラム“なにをいまさら「アレルギー」”をご覧ください。
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③毒魚・毒クラゲに刺されたとき
.クラゲ
オコゼ、カサゴ、エイなどの『えらぶた』や『ひれ』のとげには毒腺があり、刺されると痛みやはれ、充血などの症状を起こします。
クラゲの中には毒性の強い刺糸をもっているのもいて、刺されると赤くはれて痛んだり、神経が麻痺して足腰が動かなくなったり、ときには呼吸困難で生命の危機に陥ることもあります。
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これらの毒液はハチ毒と同じ蟻酸なのでアンモニア水や重曹水を塗り、湿布をします。アルコールで傷口を消毒するのも効果があります。
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はれがひどいときや吐き気、頭痛などの症状が出たときはすぐに病医院を受診します。
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④蚊・アブ・ブヨに刺されたとき
アブ
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かきこわすと細菌が刺し傷から入り化膿してとびひになることもあります。
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アンモニア水か重曹水を塗布します。
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かゆみの強いときは抗ヒスタミン軟膏を塗ります。
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とびひになったときは抗生物質の軟膏を使います。
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この時期、田畑の仕事はもちろんのこと、ハイキング、屋外でのバーベキュー、公園の散策やジョギングなどには、紫外線のみならず、虫よけ、虫刺されの対策をもしてお出かけください。
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